心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

最近タイトルでときめいた論文

Baroreflex Activation Therapy in Patients With Heart Failure With Reduced Ejection FractionMichael R. Zile, JoAnn Lindenfeld, Fred A. Weaver, Faiez Zannad, Elizabeth Galle, Tyson Rogers and William T. Abraham. Journal of the American Colle…

血圧についての疑問からある確信へと(最近の血圧についてのまとめ)

平均血圧=1回心拍出量×末梢血管抵抗 の式に、少し前から強い違和感があって、一から考えていたのです。 まず、血圧は、測定する部位の血管の円周方向への圧の変化を測定しています。 血液の進行方向と垂直に変化する圧の変化を測定しているのに、拍出量と末…

大動脈瘤は後負荷増大になると思います。

大動脈瘤は後負荷になるかどうかについて考えていました。 おそらく、なるだろうと思います。 左室内の血液は、収縮期になると大動脈の起始部にある血液を押しのけながら、心臓から大動脈にでます。 1回拍出量は、およそ60-80mlです。大動脈の太さは、3cm程…

血圧の調整に、心臓は基本的には関係ない。

血圧は、脳・血管・腎臓の3つによって、作られ、調整されるのだと思います。血圧に心臓はあまり関係なく、心臓は従属的な臓器です。体が必要とした血液循環を維持するために、ただ、自律神経に命じられて、帰ってくる血液を血管に対して拍出するだけの臓器と…

心臓は血液にエネルギーを与えて血流としている。

心臓は、血液にエネルギーを与えて、血流とします。 以前にお話ししたように、心臓から出た血液は大動脈基部にある血液を押し込みます。つまり、圧エネルギーを与えることになります。この圧エネルギーは、進行方向の運動エネルギーと、より前方の血液を押す…

機械的なサポートに最低限必要なのは、止血機能だろうと思います。

私、結構重症な患者を診てきたと思います。 重症患者の治療で、もっとも重要な機能は、止血機能と肝機能だと思います。 大概の臓器は、薬剤や機械で代替できます。心臓が止まったところで、急性期は薬剤やIABPをサポートに、VA-ECMOやImpellaを使えば、何と…

急性心不全の退院直前のクレアチニン上昇は、ループ利尿薬に騙された腎臓の悲哀

心不全の治療の最後の方で、血中の尿素窒素とクレアチニンが上昇するということは、よくあります。 これに関して、脱水による変化、つまり腎前性腎不全であると説明されます。 本当でしょうか。私は以前から違うなと思っています。 心不全で溢水の治療として…

ダパグリフロジン(フォシーガ®)は、糖尿病のないHFrEFにも良い可能性あり。

Petrie MC,et al. JAMA. 2020 Mar 27. Effect of Dapagliflozin on Worsening Heart Failure and Cardiovascular Death in Patients With Heart Failure With and Without Diabetes. 3月の終わりに、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬がHFrEF(Heart failure with re…

LVEFは60-65%がもっとも予後が良いとのこと。

Gregory J Wehner, et al. European Heart Journal, Volume 41, Issue 12, 21 March 2020, Pages 1249–1257. Routinely reported ejection fraction and mortality in clinical practice: where does the nadir of risk lie? 今回は、LVEFはどの値がもっとも…

豆腐は体にいいらしい。

Ma L, Liu G, Ding M, Zong G, Hu FB, Willett WC, Rimm EB, Manson JE, Sun Q. Circulation. 2020 Mar 23. Isoflavone Intake and the Risk of Coronary Heart Disease in US Men and Women: Results From 3 Prospective Cohort Studies. 今回は、豆腐を食…

急性心筋梗塞の時に、スタチンを静注してみたら。

J Am Coll Cardiol. 2020 Mar 12Guiomar Mendieta, Soumaya Ben-Aicha, Manuel Gutiérrez, Laura Casani, Monika Aržanauskaitė, Francesc Carreras, Manel Sabate, Lina Badimon and Gemma VilahurIntravenous Statin Administration During Myocardial Inf…

上大静脈欠損型心房中隔欠損に対する新しいカテーテル治療

Jan Hinnerk Hansen, Phuoc Duong, Salim G.M. Jivanji, Matthew Jones, Saleha Kabir, Gianfranco Butera, Shakeel A. Qureshi and Eric Rosenthal;J Am Coll Cardiol. 2020 Mar 24;75(11):1266-1278, Transcatheter Correction of Superior Sinus Venosus …

心不全の時にビソノテープはなかなかに使いやすい

心不全に心房細動などの頻脈が合併することは多いと思います。 以前に、急性期どうするかお話ししましたが、 www.kenkohlive.com www.kenkohlive.com www.kenkohlive.com 慢性的に服用していなければ、ひとまずジゴシンを1A(1Aって良く設計されていると思…

新型コロナウイルスに関して、私の言えることは、VA-ECMO、VV-ECMOの積極的な使用を考慮いただきたいということ

コロナウイルスに関して、私は感染症の専門ではないので、全般的なことは何も言えませんが、当初中国からの報告で心臓への障害が強いと、中国の医師が記者会見で言っていたので、心筋炎が起こっているのだなと思っていました。 コロナウイルスなどのウイルス…

重症の心不全患者への栄養投与について

重症の心不全患者への栄養投与法に関してのお話になります。 重症心不全の患者が何らかの理由で気管挿管などになった場合。例えば、広範の急性心筋梗塞を起こし、気管挿管による人工呼吸管理とIABPによる治療を受けている患者や、移植が必要なほど心機能が悪…

HFpEFには心リハだと思う理由

左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF, Heart Failure with preserved ejection fraction)は、一見心エコーやMRIなどでみると左室駆出率(LVEF)が、少なくとも50%以上あって悪くはないのに心不全を行いている症候群です。原因はひとまず問われず、心不全患者のLV…

一瞬心筋炎かと思った多枝冠動脈攣縮と攣縮に対する特殊な治療

以前、50歳くらいの患者さんが救急外来にショック状態で運ばれてきました。 心電図では、右冠動脈の完全閉塞とほかの血管に異常があると思われるような所見で、多枝の心筋梗塞かなと思いエコーをあてると、全体的に心筋が動いておらず、え、心筋炎かと思いま…

急性心筋炎の診断と治療

急性心筋炎の診断と治療に関してのお話をしたいと思います。 劇症型心筋炎を意識してお話します。ただ、後述しますが、来院時は、劇症ではなくても、入院後に劇症化することも多々ありますので、すべての心筋炎は劇症化する前提での対応が重要です。 診断に…

後負荷とは

後負荷とは、心臓が収縮して血液を大動脈に拍出するのに対して邪魔するをすべてのものとなります。後負荷を理解するには、2つの要素の理解が必要になります。まずは、血圧。そして、閉塞性肥大型心筋症と、その閉塞の程度に対する降圧薬の効果です。まずは…

心房のサイズが拡張機能の指標となる理由

心エコーで、拡張機能の評価や心不全の治療反応評価で測定される指標として、左房容積、E/A、E/e'といわれる項目があります。特に、左房容積は、拡張機能が悪い心不全の指標の一つとして重要視されています。 心房は、基本的に組織的な構造は心室と同じです…

右心機能評価(2)

エコーに関しては、アメリカの超音波学会のガイドラインを参考にします。 the American Society of Echocardiography Recommendations for Cardiac Chamber Quantification by Echocardiography in Adults: An Update from the American Society of Echocard…

右心機能評価(1)

以前に総合病院にいた時に、知り合いの別の科の先生から、外来患者さんがえらい息苦しいってゆうてんねんけど、ちょっとみてくれへんと連絡がありました。 ポータブルエコーを片手に外来に行き、エコーを当てて、すぐに肺血栓塞栓症かなと言って、やはり肺血…

感染性心内膜炎(3)

感染性心膜炎(IE)の診断が付けば治療と、必要な追加検査、手術の必要性の検討となっていきます。 診断については、最近は次世代シークエンサーでRNAなどを特定することができ、血液培養よりも、菌の残骸といいますが、断片といいますか、そのような感じのfra…

感染性心内膜炎(2)

感染性心内膜炎(IE)の診断は、疑うことから始まります。 人工弁やペースメーカなどの方に呼吸器や消化器感染症状のない発熱などの感染症状があれば、初めから選択肢に入る可能性は高いと思います。しかし、特に弁膜症の指摘のない人が発熱しただけでは、なか…

感染性心内膜炎(1)

感染性心内膜炎は、心臓の心内膜や弁など構造物、ペースメーカーや人工弁などに細菌感染が起こる病気です。 診断が付けば、まずは、グラム染色などを参考にempiricに治療を行い、感染菌の同定後には、descalationを行って、しっかりと抗生剤で治療しつつ、合…

心臓リハビリテーション(14)

施設認定についてお話ししようと思います。 心リハ1と、心リハ2に分けられます。 大きな違いは、保険点数の差と、心リハ1が基本的に循環器ないし心臓血管外科の常勤医師が1人必要で、心リハ2では特に必要ではないこと、担当する理学療法士または看護師が…

心臓リハビリテーション(13)

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版,最終更新2015/1/14, 心リハガイドライン)によると、循環器疾患の方に主に運動療法を行うことで、以下の効果が認められるとされています。 エビデンスレベル A (400例以上の症例を対…

心臓リハビリテーション(12)

心肺運動負荷検査(CPX, Cardiopulmonary Exercise Test)の指標についての補足的なお話をしたいと思います。 説明なく、peakVO2という言葉を使いました。日本語では、最大酸素摂取量といいます。​ 繰り返しますが、peakVO2は、心機能や全身がどれだけの運動が…

心臓リハビリテーション(11)

心臓リハビリテーションで重要なAT(嫌気性代謝閾値)を求めるのには、心肺運動負荷検査(CPX, Cardiopulmonary Exercise Test)が必要になります。 CPXは、心不全の患者さんに非常に有用な検査で、HFrEFやHFpEFといった画像的には全く違うような心不全患者さん…

心臓リハビリテーション(10)

心不全の患者さんに対して、心臓リハビリテーションを行うのに、入院であれば、できるだけ早くに患者さんの状況を把握して、その段階でできることをやっていくことが重要で、また、自覚症状を中心にして、血圧、脈といったバイタルサインに注意しながらリハ…