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右心機能評価(1)

以前に総合病院にいた時に、知り合いの別の科の先生から、外来患者さんがえらい息苦しいってゆうてんねんけど、ちょっとみてくれへんと連絡がありました。
 
ポータブルエコーを片手に外来に行き、エコーを当てて、すぐに肺血栓塞栓症かなと言って、やはり肺血栓症だった時に、偉く感心されました。
 
循環器内科ならすぐにわかるけど、他の先生にはわからない。
他の科の先生でも心エコーはみれる先生もいて、特に重症管理をしていると心エコーを自分で当てるという先生は少なからずいます。その先生も、ある程度心エコーに対しての経験はあったものの、やはり、循環器内科とは違いました。少し視野の広さが違って、視野の差にあったのが右心機能でした。
 
息苦しいということで、心機能が悪いのではないかと思うと、内科の先生は左心の動きをみて、大丈夫かどうかを判断しますが、心エコーを当てた時に、左心よりも、右心が大きめで動きが少し悪くなっていると判断しました。
普段見ているからわかるだけですが、これが右心機能評価の基本だと思います。現状では、いくつかの指標がありますが、決定的な指標は存在しません。重要なのは、大きいかどうかや動きがいいかどうかは、正常・異常含めて普段から意識してみていないと評価できないという点です。
つまり、右心機能評価は指標はあるものの、左心より主観的な評価になります。
 
ちなみに、肺血栓の急性期は、右室にとっての後負荷が急激に上がりますので、右室の収縮末期径が増加し、それに伴って右室の拡張末期径も増大します。
左室以上に右室は後負荷に対して、収縮性を増して頑張ることができませんので、そのままRVEFの低下となります。
つまり、ぱっとみると大きくて動いていないということになります。さらに、右室の後負荷が上がっているので、肺高血圧状態となり、右室の収縮期圧も上がります。すると、もともと左室は拡張期から収縮期にかけてずっと断面では円形をとどめますが、収縮期に右室のほうが圧が高くなると、短軸で三日月のような形の右室が円形に近づくため、中隔の曲率が変化し、左室が圧排されて見えます。
これらの所見がパッと目に入ったので、息苦しさの原因は急な肺高血圧、つまり、肺血栓塞栓症だなと思った次第です。
疑ったら診断は比較的簡単で、造影CTで肺血栓(正確には塞栓物)の確認と下肢を中心とした主要な静脈の血栓の残存を調べていきます。また、肺血栓や肺高血圧については、専門ではありませんが、心不全と関係しますので、別で述べていきたいと思っています。