心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

大動脈弁狭窄症

超音波振動で、大動脈弁を広げられるか

Feasibility and Performance of Noninvasive Ultrasound Therapy (NIUT) in Patients With Severe Symptomatic Aortic Valve Stenosis. A First-in-Human StudyEmmanuel Messas et al. Circulation. 2021;143:00–00 超音波で大動脈弁狭窄を軽減させようとい…

AS(8):手術治療と傍胸骨右側からの観察

大動脈弁狭窄症そのものの治療は、手術です。 その前に、心エコーで大動脈弁の石灰化が非常に強い時には、傍胸骨左側や心尖部からのアプローチでは石灰化が強く、その先の深いところにエコーが届かずに、大動脈弁狭窄の狭窄後の血流をとらえることができず、…

大動脈弁の構造

今更ですが、大動脈弁の解剖です。 3つの弁で構成されています。3尖弁です。 左室短軸のレベルを上にあげていくと大動脈弁の正面像がみえます。 上に右室がみえて、左下に右房、真下から右下にかけて左房がみえます。 大動脈弁の上の右室側になるのを右冠尖…

AS(7):ASの心不全治療の注意

大動脈弁狭窄症に合併する心不全に関しては、代償性心不全の状態にすることが重要です。大動脈弁狭窄に限らない話ですが。 心不全を合併している高度大動脈弁狭窄症は手術ということになりますが、できる限り代償化させる努力を行う必要はあります。 かなり…

AS(6):失神・狭心症状は、本当にすぐに手術が必要

大動脈弁狭窄症の治療に関しては、比較的ガイドラインで統一されているといえます。 高度で症状があるものは、手術。 高度でも、超高度といわれるものやそれに近いものに関しては、無症状でも手術を積極的に考慮する。 高度ではあるが、ぎりぎり高度で症状の…

AS(5):1回心拍出量が少ない時の高度大動脈弁狭窄症は要注意

大動脈弁狭窄症の診断や重症度評価に関しては、心エコーで基本的には診断可能です。ただ、エコーが万能というわけでもありません。特に以下の点で注意が必要です。 1) 左室流出路に狭窄があり、加速血流がみられる場合 2) 基部から上行にかけての大動脈…

AS(4):大動脈径が3cm以下の時のASの評価

大動脈弁狭窄症の診断や重症度評価に関しては、心エコーで基本的には診断可能です。ただ、エコーが万能というわけでもありません。特に以下の点で注意が必要です。 1) 左室流出路に狭窄があり、加速血流がみられる場合 2) 基部から上行にかけての大動脈…

AS(3):左室流出路狭窄時のエコー評価

大動脈弁狭窄症の診断や重症度評価に関しては、心エコーで可能です。ただ、エコーが万能というわけでもありません。 特に以下の点で注意が必要です。 1) 左室流出路に狭窄があり、加速血流がみられる場合 2) 基部から上行にかけての大動脈径が相対的に細…

AS(2): 心エコーによる大動脈弁狭窄症の診断、重症度評価

大動脈弁狭窄症の診断は、心エコーが中心になります。ただ、無症候性の大動脈弁狭窄症の発見には、胸部聴診が非常に有効です。 他の検査としては、心拡大が起こらない疾患ですので、レントゲンでは何もわかりませんし、心電図もあっても左室肥大所見程度にな…

AS(1): 大動脈弁狭窄症の原因

大動脈弁狭窄症(AS, Aortic valve stenosis)に関してですが、大動脈弁狭窄症は、この10年でもっとも劇的に治療が変化した疾患です。 大動脈弁狭窄症は、左室と大動脈の間にある大動脈弁が何らかの理由で開放が制限されるようになっている疾患です。 大動脈弁…