心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーション(14)

施設認定についてお話ししようと思います。 心リハ1と、心リハ2に分けられます。 大きな違いは、保険点数の差と、心リハ1が基本的に循環器ないし心臓血管外科の常勤医師が1人必要で、心リハ2では特に必要ではないこと、担当する理学療法士または看護師が…

心臓リハビリテーション(13)

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版,最終更新2015/1/14, 心リハガイドライン)によると、循環器疾患の方に主に運動療法を行うことで、以下の効果が認められるとされています。 エビデンスレベル A (400例以上の症例を対…

心臓リハビリテーション(12)

心肺運動負荷検査(CPX, Cardiopulmonary Exercise Test)の指標についての補足的なお話をしたいと思います。 説明なく、peakVO2という言葉を使いました。日本語では、最大酸素摂取量といいます。​ 繰り返しますが、peakVO2は、心機能や全身がどれだけの運動が…

心臓リハビリテーション(11)

心臓リハビリテーションで重要なAT(嫌気性代謝閾値)を求めるのには、心肺運動負荷検査(CPX, Cardiopulmonary Exercise Test)が必要になります。 CPXは、心不全の患者さんに非常に有用な検査で、HFrEFやHFpEFといった画像的には全く違うような心不全患者さん…

心臓リハビリテーション(10)

心不全の患者さんに対して、心臓リハビリテーションを行うのに、入院であれば、できるだけ早くに患者さんの状況を把握して、その段階でできることをやっていくことが重要で、また、自覚症状を中心にして、血圧、脈といったバイタルサインに注意しながらリハ…

心臓リハビリテーション(8)

リハビリの運動療法をするときに、一番重要なのは運動療法をやってはいけない人や中止基準を知っておくことだと思います。 心臓リハビリテーション学会のガイドラインには、運動療法の適応と禁忌,リスクの層別化(AHA exercise standard より改変) として…

心臓リハビリテーション(6)

急性心不全で入院された方に対する心リハのかかわり方の具体例をお話ししていきたいと思います。 例えば、もともと生活は完全に自立していて、家事全般自分で行っていた高血圧治療中の70歳女性。肺うっ血多少で、少し息苦しい。全身の浮腫が強いが、低潅流所…

心臓リハビリテーション(5)

心不全の心リハ適応となるような患者さんが入院すると、心リハにエントリーすることになります。 具体的な手順としては、心リハの担当者(医師 or 看護師 or 理学療法士)が、全体の新入院患者を個人情報が許す範囲で把握して、心リハの適応がありそうな人がい…

心臓リハビリテーション(4)

心不全のリハビリの対象の多くは、BNP 80pg/ml (or NT-proBNP 400pg/ml)以上であろうと思います。LVEFが40%以下で、BNP 80以下という状態の方は、安定している外来患者さんや、慢性心不全ではあるものの、心不全とは別の理由で入院してきた患者さんではあり…

心臓リハビリテーション(3)

心リハを実際にしていて最も実感するのは、運動耐容能の改善です。運動耐容能の改善というのは、より強度の高い運動ができるようになるとか、同じ運動でも楽にできるようになるということになります。楽にできているかどうかは、本人の自覚症状もそうですが…

心臓リハビリテーション(1)

リハビリテーションほど重要な治療はないと思っています。βブロッカーよりも心臓リハビリテーションだと思っています。(もちろんあえてどちらかを選ぶ必要はないのですが) 個人的には、心臓リハビリテーションという言葉よりも、循環器疾患リハビリテーショ…

心不全の急性増悪を予防する最良の選択肢は、心臓リハビリテーションを中心にしたチーム医療だと考えています。

慢性心不全が代償状態から何かを原因として非代償化する、心不全の急性増悪の原因にはいくつかありますが、心不全の急性増悪を減らすための最も重要な仕組みがチーム医療だと考えています。 医師がサポートするチーム医療というのが理想だと思います。医師主…

過労による心不全の増悪と、それに対する心臓リハビリテーションの役割

急性冠症候群や感染、貧血などは発症する率をさげるような対応は可能ですが、防ぐこと自体は結構困難です。冠動脈CTをしようが、運動負荷をしようが急性心筋梗塞は発症を予測し予防することはできないというのが事実で、脂質の治療などを通して発症する確率…