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心不全について私が知るすべてを話すブログ

心臓リハビリテーション(12)

心肺運動負荷検査(CPX, Cardiopulmonary Exercise Test)の指標についての補足的なお話をしたいと思います。

説明なく、peakVO2という言葉を使いました。日本語では、最大酸素摂取量といいます。​
繰り返しますが、peakVO2は、心機能や全身がどれだけの運動ができるのかなどを総合的に反映しますので、予後の有効な予測因子となります。​
peakVO2とmaxVO2(最大酸素摂取量)というのがありますが、maxVO2は、どんどんと運動強度をあげていっても、それ以上に体内に取り込まれる酸素の量が上昇しない段階で、運動強度をあげてもVO2があがらず、最大値のままで、一定の値になります。かなりのスポーツ選手出ないとおそらく到達しない段階だと思います。普通の健常者では見ない状態かと思います。peakVO2は、最大の運動負荷時の酸素摂取量ですので、すべての人で見ることができる値です。​
呼気ガス分析は、字のごとく口鼻マスクをつけて、呼気のガスの量(換気量)やガス成分、特に酸素濃度と二酸化炭素濃度を分析します。​
吸気の酸素濃度は、空気の酸素濃度として計算されて、呼気の酸素との引き算で酸素摂取量が測定されます。そのため、何らかの方法で酸素を吸っている人は正確な酸素摂取量を測定されることできません。
VO2を負荷の増加量で割った値(work rate)、ΔVO2/ΔWRは、心拍出量を反映します。正常は、10ml/min/watts程度です。8ml/min/wattsくらいであれば、それなりの心不全で、重症の心不全では、6-7ml/min/watts程度と非常に低い値になります。私、個人的に5ml/min/wattsはみたことはありません。
また、換気効率という換気に関する能力をみる指標があります。心不全では、重症になればなるほど、循環不全や呼吸機能低下、また、呼吸調整の化学受容器を中心とした受容体の不全などからくる呼吸調節障害が顕著になります。​
いかに効率的に呼吸を行えているかをみる指標になります。運動を行っていくと、通常は、運動とともにあ肺全体を使って、肺循環と肺胞呼吸がマッチングしていきますので、どんどんと有効な換気により、二酸化炭素を排出するために必要な換気量は減少します。つまり、VE(換気量)/VCO2という値は、減少してきます。通常は、32以下で、30前後になります。しかし、心不全の人は、循環が肺胞全体にいきわたらなかったり、不必要な過換気状態になり死腔が増える(過換気になれば基本的に死腔は増える)ために、換気の効率は低下します。つまり、二酸化炭素を出すために必要な換気量が増加し、VE/VCO2は下がりきらず、35以上の高い値となります。換気効率も、心不全の非常に重要な評価項目となります。