心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

心エコーのいろは

心エコー:6.心尖部からの観察

短軸像をしっかりと各肋間ごとにプローブをゆっくりと動かして心尖部短軸まで観察したら、そのまま心尖部からの観察です。 心尖部を確認したら、そろそろエコーのゼリーがなくなってきていると思いますので、一度エコーゼリーを塗りなおしましょう。 さらに…

心エコー:5.左室短軸

大動脈弁の正面視レベルを観察したら、そのまま僧帽弁の短軸の観察に移ります。 僧帽弁の観察は、しばしば低めの肋間から行っていて、弁が閉まったときの短軸がみられないことがみうけられます。同じことを繰り返しますが、常に上のほうから、しっかりとプロ…

心エコー:4.短軸像(大動脈弁レベル)

傍胸骨長軸で左室・右室、弁を観察したら、次は、短軸を観察していきます。 基本断面は大動脈弁が正面視できる像ということになります。 正面視できているかどうかは、大動脈弁の弁輪がほぼ円にみえて、かつ3つの弁が均等にみえている像ということになります…

心エコー:3.傍胸骨右室像(右心系の観察)

次に、傍胸骨左室長軸像のままプローブを大きく上下に振ると、右室流出路や肺動脈、または、その逆では三尖弁を中心にした右室2腔像をみることができます。 肺動脈の観察は、この断面でも、次の大動脈弁短軸像でもどちらでも観察しやすいほうで観察してくだ…

心エコー:2.傍胸骨左室長軸像(2.心房と弁の観察)

傍胸骨左縁から左室長軸を観察したら、次は、心房を観察して、最後に弁をみます。 心房は、この断面で計測することが一般的ですので、収縮期で左房がもっとも大きくなった時に、きっちりとみえるように描出して、左房径を測定しましょう。左房の大きさは非常…

心エコー:2.傍胸骨左室長軸像(1.左心室の観察)

心窩部からの観察が終わったら、患者さんを完全に左側を下にした横臥位にします。その状態で、胸骨の左縁をできるだけ上から観察していきます。心臓がみえず、上行大動脈しかみえない高さから観察を開始します。 まず、上行大動脈の血管径を測定します。30mm…

心エコー:1.心窩部からの観察

心臓超音波検査は、心不全の診療の中で非常に重要な位置を占めると同時に様々な心疾患にかかわる検査です。 心不全の基礎となる疾患の推定や、弁膜症の有無、心拍出量の推定などなど、さらに、初診時、急性期、慢性期のすべての状況、あらゆる時期において有…