心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

慢性心不全

心房のサイズが拡張機能の指標となる理由

心エコーで、拡張機能の評価や心不全の治療反応評価で測定される指標として、左房容積、E/A、E/e'といわれる項目があります。特に、左房容積は、拡張機能が悪い心不全の指標の一つとして重要視されています。 心房は、基本的に組織的な構造は心室と同じです…

心不全診療は、主治医制よりもチーム制が望ましいと考えています。

心不全のチーム医療に関係する部分として、私は個人的に日本の多くの病院でとられている主治医制には反対です。 偶然、心不全を専門にしている医師が主治医になって、十分な治療を受けれればいいですが、そうでないこともあります。というか、一般の病院で心…

心不全の急性増悪を予防する最良の選択肢は、心臓リハビリテーションを中心にしたチーム医療だと考えています。

慢性心不全が代償状態から何かを原因として非代償化する、心不全の急性増悪の原因にはいくつかありますが、心不全の急性増悪を減らすための最も重要な仕組みがチーム医療だと考えています。 医師がサポートするチーム医療というのが理想だと思います。医師主…

心不全の急性増悪の原因がない時は、心不全の終末期だと考えられる。

慢性心不全が非代償化するときに、明らかな原因があるときには何とかなることが多いです。 例えば、薬を1週間飲んでいなかったとか、インフルエンザになったとかがあれば、それで増悪した心不全を治療して、薬を飲んでもらうように状況を整えたり、インフル…

甲状腺ホルモンと心不全の関係

甲状腺ホルモンと循環器疾患の関係性はとても重要です。 AHAのガイドラインなどでも、拡張型心筋症をはじめとした心筋症や心房細動の初回診断、また、急性心不全の時には、甲状腺のホルモンを調べることを推奨しています。また、疾患ではありませんが、心房…

過度な塩分や水分の摂取も心不全の増悪の原因になる。

過度な飲水や塩分摂取によっても心不全は増悪します。 飲水や塩分負荷は前負荷を無駄に増やします。本来前負荷は、必要な心拍出量を維持するために必要ですが、過度な飲水や塩分摂取は子の前負荷を不要に増加させて、うっ血を増悪させます。また、高血圧や心…

薬の飲み忘れも心不全の急性増悪の重要な原因の一つです。

怠薬も最も重要な心不全の増悪の原因の一つといえます。 怠薬には、いろんな理由があります。 例えば利尿薬であれば、尿の回数が多くなるのが嫌で、飲むのをやめてしまったということが結構あります。多くの人は夜に尿が増えると何度も起きるため、夜間に尿…

過労による心不全の増悪と、それに対する心臓リハビリテーションの役割

急性冠症候群や感染、貧血などは発症する率をさげるような対応は可能ですが、防ぐこと自体は結構困難です。冠動脈CTをしようが、運動負荷をしようが急性心筋梗塞は発症を予測し予防することはできないというのが事実で、脂質の治療などを通して発症する確率…

貧血と頻脈による心不全の経験

貧血や動静脈シャントは、hyperdynamic stateの心不全といわれます。貧血では、赤血球中のヘモグロビンが減少しているので、それだけ酸素運搬能が低下しています。濃度として低下しているので、それを補うには、血流量を増やす必要があります。つまり、心拍…

心不全の増悪因子としての貧血

貧血は、慢性心不全にしばしば合併します。心不全では、十二指腸から分泌される鉄の吸収に関わるホルモンの低下や、心不全によく合併する腎機能障害に伴いエリスロポエチンも低下することから、さらに貧血の合併が増えるとされています。これらは心腎連関、…

感染症による心不全の急性増悪

感染症も慢性心不全の急性増悪の原因となります。特に感染症の中でも呼吸器感染症が心不全の急性増悪を引き起こしやすいといわれています。 心不全の急性増悪の原因のひとつは、普段の安静時に体が必要とする酸素の需要以上に酸素需要が増えて、それを満たす…