健康リブ ー健康に生きるために病気を知るー

心不全について私が知るすべてを話すブログ

薬の飲み忘れも心不全の急性増悪の重要な原因の一つです。

怠薬も最も重要な心不全の増悪の原因の一つといえます。
 
怠薬には、いろんな理由があります。
例えば利尿薬であれば、尿の回数が多くなるのが嫌で、飲むのをやめてしまったということが結構あります。多くの人は夜に尿が増えると何度も起きるため、夜間に尿が増えるのが困るという方が多いと思います。ライフスタイルによっては、昼間に増えるのが困るという方ももちろんいらっしゃいます。
安定しいるとき(代償状態)であれば、1日の尿量は飲水量を超えることはありませんので、慢性期の適切に用量調整された利尿薬であれば、飲んだ水の分しか尿は出ないよということを説明することは重要だと思います。ただ、長時間作用するような薬剤(サイアザイドやダイアートなど)であっても血中濃度によっては服用後に尿が増えることはあると思うので、血中濃度を少しでも低く抑えるために、ダイアートやルプラックを1日2回服用にして血中濃度が高くなる時間を極力減らすなどの対応は可能かと思います。
 
また、尿の回数に関しては、特に安定している慢性期には膀胱機能のほうが関係しているときも結構あります。男性であれば前立腺肥大で、女性であれば神経因性膀胱となりますが、このような泌尿器疾患の検査と必要があれば診断的治療を行ってみることも必要です。
 
ラシックスのような短時間作用型の利尿薬では服用後に利尿が増えます。心不全の慢性期治療として、ラシックスはダイアートやルプラックに劣りますので、原則的に不向きですが、どうしても夜間の尿が困るという人には、日中の朝と昼にわけて、夜間には利尿効果が消失しているような調整も必要かと思います。ただ、このような利尿作用のOn-Offがあるということは、腎臓に負担をかけている可能性があるのと、夜間に尿が減るということはその間はうっ血傾向に傾いているので、夜間の心不全増悪の可能性は高まると思います。こういったことも考えながら調整する必要があるのかと思います。
 
また、さまざまな薬でいえることですが、どうしても飲み忘れの問題や、高齢・若干の認知症がある人などで内服を忘れてしまうことは多々あります。さらに心不全の終末期に近いような状態などで、心不全という状況が嫌になって鬱のような、投げやりな気分になってしまう方もいて、もう薬を飲むことを拒否してしまう方もいます。
これには包括的な在宅を含めた医療チームの存在が必要になってきますので、また、心不全に対するチーム医療については別にお話ししたいと思います。
 
 
心不全の他の薬に関しては、何か理由があって辞めていたということはあまりないかと思いますが、高血圧や脂質異常などの患者さんに関しては、怠薬というよりは、自己中断という言葉がいいと思いますが、薬を飲むことをやめてしまう方がいます。
 
理由としては、根本的な治療薬ではなく飲んでいるから下がっているということを知らないため、値が良くなったからやめるということがあります。
 
また、結構多いのが周りの人に聞いた、週刊詩に書いていた、本でみた、テレビで言っていたということが多いです。
私がそういった方々に話す文言で参考になればと思い、記載しておきます。
 
「薬って体に悪いんでしょうと言われますが、原則悪いに決まっています。いいはずがありません。いいものなら、健康な人も含めすべての人が飲みます。ただ、ある一定の値より血圧が高い、コレステロールが高いということが心筋梗塞などの動脈硬化性の病気を増やします。これは国家規模のデータでの結果で分かっていることです。(*ここまでは製薬会社は関係ありません。) で、そういう人が薬を飲んで、その値を下げたらどうなるかというのは、段階的に100人とか1万人とかの規模で試験がされて、その結果、一定の数値以上の人に関しては、ほっておくことと薬を飲むことを天秤にかけたら、薬を飲んだほうが、その薬を飲むことによっておこる副作用などを考慮しても、動脈硬化による病気を減らす、動脈硬化による死亡を減らすなどのよい効果が確認され、確認された薬をその結果に合致する患者さんに対して、我々が処方しています。薬は副作用があるので、体にいいものではありませんが、高血圧やコレステロールが高いのをほっておくよりも、薬を飲んだほうが、動脈硬化による疾患の発症の確率を下げるということになります。(*この辺りは製薬会社が関係しますが、みなさんの好きな製薬会社どうこうというのも、今の試験は入りずらくなっています。現に、この試験の中で効果が否定されて、販売できなかった薬は結構あります。HDLコレステロールを上げる薬はありますが、有効性を証明できず発売できていません)
もちろん、他の病気が原因となっている死亡を下げる効果は基本的にはありませんので、最終的に飲むか飲まないかを決めるのはご本人ですが、きちんとした情報を知ったうえで判断してください」
 
(*製薬会社の下りは週刊誌を読んだ、製薬会社陰謀論を好まれている方には加えますが、基本的には割愛して、お話しします)