心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

心不全診療は、主治医制よりもチーム制が望ましいと考えています。

心不全のチーム医療に関係する部分として、私は個人的に日本の多くの病院でとられている主治医制には反対です。


偶然、心不全を専門にしている医師が主治医になって、十分な治療を受けれればいいですが、そうでないこともあります。というか、一般の病院で心不全を専門にしている医師など相当希少種ですので、基本的にはいないも同然です。
誰が主治医になるかは、主治医の特性とかというもので決まらず、その時の受け持ち患者さんの数や重症度、または救急当番で外来でみたからそのまま主治医というような、実質的に曜日だけで主治医かどうか決まったりします。
医師の得意分野などが考慮されるところもあるかもしれませんが、そういった采配は少ないように思います。


また、呼吸器感染が多くなる冬季には特に心不全は相当増えます。また、診療的にも循環器内科だけでなく、一般の診療科でも対応する必要があるくらい入院の病名としては一般的な疾患になります。そうなると当然、自己流というか、書籍での知識や研究会での受け売り(実際そうするしかない面も多いのですが)の治療で、9割の心不全はそれでいいけど、1割はそれではだめなんだけどという治療となっていたり、50歳と80歳の心不全では治療は変わらなくても、診断の重要性は変わるのにおざなりにされていたりします。


このような診療のばらつきは、病院間でもありますし、同じ病院の主治間でもみられます。特に、部長などがしっかりと管理できていれば、病院内のばらつきは減りますが、部長が必ずしも全身管理をできるわけではありませんので、この辺りも未知数となります。明らかな先輩後輩であればいいのですが、比較的学年が近かったりすると同僚間でもなかなか臨床の指摘はしずらい雰囲気もあります。


このような弊害は、チーム制でかなり改善できると思います。病棟をその病院の規模にもよりますが、一人5-10人程度の割合になるように、例えば、3人1グループであれば、患者さんの数が15-30人程度になるようなチームを組んで、処置や外来の間に病棟をみるのではなく、きちんと病棟当番を決めて、必要な処置や治療を行っていくことが重要だと思います。
(主治医以外に時間のある同診療科の医師がいてても、主治医ではないので夕方まで必要な処置がなされないこともないわけではありません)


チームの意思決定や仕事の割り当てなど細かいことはいろいろとありますが、勤務的にもかなり融通が利くようになるのではないかと考えます。


夜間は当直ではなく、夜勤という形でしっかりと病棟の申し送りなどをして、対応していただき、グループ制であれば、各グループの夜間の相談担当を曜日などで決めておくことで、毎日対応する必要はなくなります。
一部の病院であるように、重症患者を担当したときに、異常に大きくかかる主治医への負担を減らせます。


細かいことはいろいろとありますが、私は主治医制を廃止して、看護師さんも含めたチーム制にすることでかなり医療は均質化できるのではないかと考えています。