心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

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血圧とは何かを簡単に説明

以前にも述べていますが、再度血圧とは何かを述べたいと思います。

心臓が血液を拍出するときに、ある程度のエネルギーを与えて拍出しないと全身に送れないので、心臓は血液にある程度エネルギーを与えますが、それがそのまま末梢組織の毛細血管に到達すると、組織に多大な負荷がかかり、組織浮腫などが起こってしまうので、適当なエネルギーまで低下させるために、組織の毛細血管の直前にエネルギーを削るための抵抗装置を置いています。この抵抗装置が抵抗血管といわれる細動脈などになりますが、その抵抗のために血流は収縮期の中頃で血管内で停滞し、血管を押し広げる方向に最大の力を及ぼします。これが収縮期血圧(=最高血圧)です。
そのため、最高血圧は、心臓が血液に与えるエネルギー、抵抗血管、圧を測定する場所からその抹消までの血管弾性によって決まると思われます。
拡張期血圧は、収縮期に容量血管に停滞した血液がゆっくりと毛細血管内に流れ続ける過程で、よほど脈が遅くない限り次の収縮期の始まりが、拡張期の最低血圧となります。そのため、最低血圧は、容量血管(大動脈など)の血管弾性や抹消抵抗血管を反映していると考えられます。
若年者では、血管弾性が保たれていて、拡張期に流れる血流量が多く、血管抵抗が上昇しているため、拡張期高血圧になり、老人では、血管弾性が低下していて、血管抵抗が高かったとしても、拡張期に流れる血流が少ないため、拡張期血圧は低くなる傾向になります。
逆に、収縮期は若年が低めで、老人は高めということになります。

若年性高血圧の段階では、血管弾性の問題よりも、おそらく抵抗血管や心臓の与えるエネルギーなど制御の問題がメインかと思っていて、そのため、この段階で治療すれば、いわゆる動脈硬化は起こりにくい可能性があるのではないかと思っています。
ちなみに、塩分は血圧の設定値の制御に関して異常をもたらすのだろうと考えられます。
動脈硬化が進むと、血管弾性などの不可逆的な組織レベルの変化が起こるのだろうと思っています。