心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

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大動脈瘤は後負荷増大になると思います。

大動脈瘤は後負荷になるかどうかについて考えていました。
おそらく、なるだろうと思います。
 
 
左室内の血液は、収縮期になると大動脈の起始部にある血液を押しのけながら、心臓から大動脈にでます。
 
1回拍出量は、およそ60-80mlです。大動脈の太さは、3cm程度で、断面積は7cm2程度。およそ大動脈の長さ11-12cmくらいで、80mlとなり、1回拍出量と同じ程度になります。おおよそですが、上行大動脈分入れ替わるという感じでしょうか。
 
 
また、左室から大動脈への血液の駆出の速度は、おおよそ80cm/sで、平均では60cm/s程度でしょうか。収縮期の時間は、エコーでVTI(velocity time integral)の時間で、心電図でいうとおよそQT時間になり、0.3s程度でしょうか。すると、一番に駆出された血液の一滴は、同じ速度で動くとすれば、収縮期の間に、20cm程度動くことになります。すると到達点は、大動脈弓部あたりでしょうか。
 
また、心臓の左室流出路は、おおよそ2cm程度で、断面積では3cm2程度になります。大動脈の断面積の半分程度ということになります。
心臓から駆出された血液は、太い棒でつくように基部にある血液を押しつつ、かつ、押し分けつつ進むことになります。
この時に、もともとある血液が大動脈の壁を進展して、収縮期に蓄えられた血液が拡張期にもながれることになりますが、とにかく押しつつ、押し分けつつ進むことになるかと思います。(この収縮期に蓄えられた血液が拡張期に流れ、拡張期血圧=血管のトーヌス?(拡張期の血流×末梢血管抵抗)となると考えています)。
 
 
すると、もともとある血液は、押されるという意味で後負荷になるだけではなく、血管と新しく駆出された血液の間にある血液に関しては、伸展する方向に対して邪魔をしますので、これも負荷になります。伸展方向にすんなりいかないということは固い血管と同じになります。つまり、後負荷増大ということになります。
大動脈瘤では、押し出され流れる血流と血管壁の間位に血液が多くある状態になります。もちろん、全体として流れているのですが、伸展する方向に対しては停止していると考えて良さそうなので、すると、大動脈瘤は大きければ大きいほど、大きな後負荷を発生している可能性があると思います。