心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

慢性心不全治療

心不全の時にビソノテープはなかなかに使いやすい

心不全に心房細動などの頻脈が合併することは多いと思います。 以前に、急性期どうするかお話ししましたが、 www.kenkohlive.com www.kenkohlive.com www.kenkohlive.com 慢性的に服用していなければ、ひとまずジゴシンを1A(1Aって良く設計されていると思…

うっ血を伴う心不全の時の輸血について

心不全であっても、高度な貧血の時には輸血が必要になります。 心不全の治療中に輸血や輸液をするというのはなかなかに勇気がいることです。 ただ、心不全でも、輸液などが有効な時ももちろんあります。治療経過の中で水を引きすぎて、それにACE阻害薬などの…

不整脈による心不全の急性増悪(徐脈と頻脈の時の心不全の違い)

不整脈も心不全の増悪の原因となります。もちろん心不全そのものの原因となることもあります。頻脈誘発性心筋症(TIC)という疾患概念や、動物実験で心不全のモデルを作るときに思いっきり早く右室ペースを続けることをしますので、正常な心臓でも頻拍を続ける…

慢性心不全の治療:急性増悪を防ぐために、急性増悪の原因を知ろう

心不全の慢性期治療を行うのにあたっては、①-③が目標になるのではないかと考えています。 ①心不全そのものの進行を遅らせること、可能であれば改善させること。​ ②心不全による症状をできるだけ抑えること。​ ③心不全の増悪(非代償化)させないこと。させたと…

慢性心不全の治療目標:治療の目標と私が考える緩和医療の定義

心不全の慢性期治療を行うのにあたっては、①-③が目標になるのではないかと考えています。 ①心不全そのものの進行を遅らせること、可能であれば改善させること。​ ②心不全による症状をできるだけ抑えること。​ ③心不全の増悪(非代償化)させないこと。させたと…

ヨーロッパ心臓病学会のガイドラインにみる慢性心不全にやってはいけない治療

心不全患者にやってはいけないこともガイドラインでは、まとめてあります。ESC(ヨーロッパ心臓病学会)のガイドラインをみていきます。 まずは、薬剤投与について記載があります。 有症候性のHFrEF患者に、ジアゼパムやベラパミルの使用は推奨しないとありま…

心不全に対する慢性期治療(5):イバブラジンと心不全へのEPA投与

今回は日本で発売されているイバブラジンとEPA(エイコサペント酸)についてお話ししていこうかと思います。 イバブラジンですが、日本では商品プロコラランというようです。この薬剤は、洞調律の心拍数を落とします。イバブラジンが作用するIfというチャンネ…

心不全に対する慢性期治療(3): βブロッカーとACE阻害薬とMR拮抗薬

HFrEFの治療としての2トップは、βブロッカーとACE阻害薬です。トップ下にミネラルコルチコイド受容体拮抗薬といったところでしょうか。 基本的には、禁忌事項がない限り導入していくことになります。 βブロッカーとACE阻害薬のどちらから導入するかというと…

心不全に対する慢性期治療(2):HFrEFの治療

HFrEF(左室駆出率の低下した心不全、Heart Failure with reduced Ejection Fration)の慢性期の治療薬とDeviceに関しては、ガイドラインに詳細に記述されています。HFrEFは、心エコーで左室駆出率が40%以下の心不全を指します。また、他のHFpEFなどは心不全症…

心不全に対する慢性期治療(1)

心不全の慢性期治療に関しては、ある程度共通の治療と、何らかの原因があれば、その原因に対しての特異的な治療があります。特異的な治療に関しては、原因毎にありますので、ここではある程度共通する一般的な慢性期治療の話をしていこうかと思います。 特定…

LVAD植え込み後の循環不全の原因と対策

植え込み型左室補助循環装置(implantable left ventricular assist device, iLVAD, 植え込みVAD)の手術をすれば、かならず循環不全が改善し、心不全にはならないというわけではありません。少数ではありますが、LVAD植え込みでも心不全の治療を行う必要のあ…

植え込み型左室補助循環について

植え込み型左室補助循環装置(implantable left ventricular assist device, 植え込みVAD)について少しお話ししたいと思います。 植え込みLVADの適応は、保険診療上は心臓移植が前提になります。では、心臓移植の登録のどの段階で可能かというと、移植施設内…

ニプロ式LVADとすこしだけ心臓移植登録について

体外式左心室補助循環(体外LVAD)で、特に昔はトーヨーボー、今はニプロといわれる単回使用体外設置式補助人工心臓ポンプについてお話ししたいと思います。 体外式左心室補助循環は、保険診療上特殊な制約(心臓移植登録済みなど)はありません。臨床的に必要と…

心不全の慢性期治療にはルプラックを使うのがいいと思います。

ルプラックという薬は慢性期の心不全にって非常に有用だと私は思っています。 以前にもお話ししましたが、私は慢性期のループ利尿薬は、基本的にルプラックを選択して、カリウム値が高いようであれば、ダイアートにするというようにしており、ラシックスを慢…