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慢性心不全の治療目標:治療の目標と私が考える緩和医療の定義

心不全の慢性期治療を行うのにあたっては、①-③が目標になるのではないかと考えています。
 ①心不全そのものの進行を遅らせること、可能であれば改善させること。​
 ②心不全による症状をできるだけ抑えること。​
 ③心不全の増悪(非代償化)させないこと。させたとしても、早期にとらえて入院をしなくてもいい段階で治療介入を行うこと。​
これらの結果として、入院せずに、症状が安定している状態の、康寿命を延ばすことだと思います。​
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①と②に関しては、いわゆるガイドラインに準じた最大限の治療をしっかりと行うということになっていくと思います。心不全は原則として進行する病気です。何もしなければ、人により速度は違うものの心機能障害が進行し、徐々に多臓器にも影響が出てきます。それに対して、内服やデバイスを適切に使用すると改善することがありますし、すくなことも進行を遅らせる効果があります。そのためにも、しっかりと現状のガイドラインで勧められている治療を行うことが必要です。
 
また、慢性心不全としての治療というだけでなく、特定の治療法があるかないかも定期的に意識することが大事ではないかと思います。うまくいけば、改善どころかほぼ完治することもあります。そのためにも原因精査がきっちりと行われていて、特に特有の治療のある疾患を見逃していないかを定期的に見直す必要があるのではないかと思います。
慢性的な治療の状況としては、外来ということが前提になると思います。自分の外来通院患者さんはいろんな経路で来られると思いますが、自分自身が入院の段階から見てて、十分に心不全の検査がされて、自分の外来患者さんになるという入院から自分の外来という経路だけではなく、他の先生の異動に伴って自分がみることになるとか、他の病院でみられていた人が紹介でこられるとかいろんな経路があると思います。その中で十分に検査が行われていると思って、そのまま継続で処方と一般的な検査を定期的に行っていると、実はサルコイドーシスの検査が抜けていたとか、末端肥大症の疑いがあったとか、何らかの精査が抜けていることがあります。
また、医学の進歩ということもありますので、精査を一通り行ったときには、診断できなかった疾患が医学の進歩でできるようになったり、1年とか3年とか経って改めて比較すると、その時になってやっと診断ができる異常がそろっていたというようなときもあります。そのために、一覧表などを作って、心不全の人に関しては、外来の込み具合によりますが、1年に1回か2年に1回くらいは、心不全の原因が一通りチェックされているかどうかを確認したいものだと思います。

ちなみに、①と②に関しては、多くの患者さんではやる治療は共通していると思いますが、これが分かれるときが終末期の緩和医療だと私は考えています。
つまり、心不全は利尿薬を必要最低限使用したうえで、できるだけガイドラインを遵守した治療を行って、食事なども制限してというようなことを延々と続けていきます。そうすることが、多くの場合で心不全自体の進行を遅らせ、時には改善させたりすることがあり、それ自体が、症状の緩和につながりますので、①と②は基本的には同じ方向を向いています。
しかし、心不全自体が進行し、心不全にとって中長期的な予後には悪いものの、その時の症状をとる治療を急性期以外にも行うような段階が訪れたとしたら、その時が終末期の緩和医療ステージではないかと考えています。その時には、ガイドラインを外れた治療が必要で、それぞれの症状などに対した治療が必要だろうと思います。