私自身、10年ほど前から心臓MRIしていました。最近では、健康診断の心臓MRIと冠動脈MRAの読影をしていました。
(ちなみに、冠動脈CTは16列の時からしていました)
現時点で、心臓MRIといえば、2次性心筋症か、虚血の領域の評価やviabilityの評価に使われることが多いと思います。
冠動脈MRAに関しては、非造影でも、主な血管(2.5mm程度以上)に、狭窄がない、放置してもいい程度の狭窄がある、冠動脈CTAをした方がいい程度の狭窄がありそうというくらいに、評価はできると思います。
このような状況で、結構心臓MRIで都合がいいのが、若年者の失神だと思っています。
まず、若年者ですので、冠動脈が、走行を含めて正常かどうかをみるというのができます。攣縮などまではわかりませんが、かなりの情報を得ることができます。
また、心臓MRIで、もちろん心エコーを先に行うことは大前提ですが、エコーで見えにくい場合でも、心臓MRIでは見えにくいということは基本ありませんので、右心系や心房、隣接する心外病変の有無の評価も可能です。
特に、サルコイドーシスの場合には、見えにくいところに心室瘤があるかもしれませんので、MRIで初めてわかることもあるかもしれません。
胸部を含めて撮影することで、大動脈の異常も併せてみることができます。
さらに、遅延造影を合わせて行えば、もし一過性の虚血であった場合に、もしかしたら冠動脈の支配に一致した浅い遅延造影があるかもしれませんし、もちろん、妙な心筋症も見つけられるかもしれません。
そして、これらを行っても、被爆しませんので、特に若年女性でも躊躇なくオーダーできます。
私は、特に若年者の失神の時には、結構遅延造影を含めて、心臓MRIフルコースをオーダーしていました。