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心臓移植登録の流れ(4)​

 ​ー厚生労働省資料ー
 適応となる疾患

心臓移植の適応となる疾患は従来の治療法では救命ないし延命の期 待がもてない以下の重症心疾患とする。 ​
 I. 拡張型心筋症、および拡張相の肥大型心筋症 ​
 II. 虚血性心筋疾患 ​
 III. その他(日本循環器学会および日本小児循環器学会の心臓移 植適応検討会で承認する心臓疾患)

 

適応となる疾患には、正直制限はありません。心臓が悪くて悪くてどうしようもないということであれば、原疾患はなんでも問題ないと思います。今までの心臓移植登録の傾向としては、日本では、広義の拡張型心筋症が最も多く、欧米に比べて虚血性心疾患は少なめではあります。


拡張型心筋症や拡張相肥大型心筋症、虚血性心疾患以外の疾患の場合には、IIIのその他になると思います。具体的には、拘束型心筋症や心内膜弾性繊維症といった心筋症から、活動性が全くなくなっているサルコイドーシスによる心不全などなどさまざまです。
アドリアマイシン心筋症もあります。化学療法による慢性的な心筋障害は、稀ではありません。除外基準でも述べますが、癌は治癒と判定されたのち5年以上経過していれば、完治と判断され、心臓移植登録が可能になります。数年前の段階では、どのような癌かは関係なく、一律5年ということでした。


軽度の心機能低下ではあるものの、あらゆる治療に抵抗性の心室細動のために心臓移植登録されることもあります。あらゆる治療や交感神経などの神経系へのアプロ―チを十分にしても、どうしてもICDが頻回に作動し、そのたびにショックがかかり、かつショックがかからないと持続してしまうような場合には十分に心臓移植適応の対象となります。心不全だけが心臓移植登録となるわけではありません。


非常に高度で繰り返す冠動脈攣縮も、場合によっては心臓移植の対象になると思います。現在の医療で考えられる最大限の治療を行って、場合によっては冠動脈バイパス術も行っても、元の冠動脈の攣縮による狭心症や心筋梗塞を繰り返し、それによる不整脈なども起こしているような場合には、心臓移植の登録が通る可能性はあると思います。というか、特に心筋梗塞を起こす冠攣縮を押さえられなければ、いずれは心停止するわけですので、心臓移植以外に救えないと思います。心不全か、または不整脈ということでの移植申請になると思います。ただし、正面から冠攣縮ということでの申請でも文言的には厳しいですが、移植の判定する会員の方々は理解していただけると思います。


他には、収縮性心膜炎も心臓移植の対象となりうると思います。心外膜は、心臓側のepicardiumと肺側のpericardiumがあります。心外膜炎になった時に、pericardiumの処理はできるようですが、epicardiumによる心外膜炎の場合には、心筋ごと削るわけにいかないので、epicardiumによる収縮性心膜炎で、血行動態的にどうしても心不全をコントロールできないときには、心臓移植の対象疾患となると思います。残存する心機能がある程度良ければ、左室は縮むので、心不全のコントロールは左室補助循環だけでかなり安定する可能性があります。これは心不全の範囲での移植申請になります
冠攣縮や収縮性心膜炎に関しては、おそらく前例はないと思いますが、私は、個人的には重篤で治療が不可能な状態であれば、十分に心臓移植の登録対象になると思いますし、申請を通すことは可能だと思います。