心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

心臓リハビリテーション(4)

心不全のリハビリの対象の多くは、BNP 80pg/ml (or NT-proBNP 400pg/ml)以上であろうと思います。LVEFが40%以下で、BNP 80以下という状態の方は、安定している外来患者さんや、慢性心不全ではあるものの、心不全とは別の理由で入院してきた患者さんではあり…

心臓リハビリテーション(3)

心リハを実際にしていて最も実感するのは、運動耐容能の改善です。運動耐容能の改善というのは、より強度の高い運動ができるようになるとか、同じ運動でも楽にできるようになるということになります。楽にできているかどうかは、本人の自覚症状もそうですが…

心臓リハビリテーション(2)

どのような患者さんに心臓リハビリテーションを行えばいいかというと、循環器疾患を患っているすべての患者さんが対象となります。しかし、基本的には保険医療ですので、保険で償還される患者さんに行っていくということになります。ちなみに、運動療法には…

心臓リハビリテーション(1)

リハビリテーションほど重要な治療はないと思っています。βブロッカーよりも心臓リハビリテーションだと思っています。(もちろんあえてどちらかを選ぶ必要はないのですが) 個人的には、心臓リハビリテーションという言葉よりも、循環器疾患リハビリテーショ…

左室の駆出率の保たれた心不全について(5)

若年者の肥大心を認めた場合には、精査は必要です。どのレベルまでの検査を行うかに関しては悩ましい時が多々あると思います。 心不全症状があったり、急性心不全で入院した場合には、心エコーはもちろん、除外診断を行うための血液検査・尿検査、冠動脈疾患…

左室の駆出率の保たれた心不全について(4)

肥大型心筋症や、後負荷などが関係している心筋症以外で、心筋が肥大する可能性があって、臨床でも実際に出会うであろう(少なくとも私がみたことはある)疾患について、述べていきたいと思います。 ライソゾーム病:ファブリー病 ミトコンドリア病:MELAS病、…

左室の駆出率の保たれた心不全について(3)

HFrEFの最大の共通点は、心臓の収縮機能が低下し、代償性に心臓が大きくなるということで、それは拡張型心筋症でも、虚血性心疾患でも変わりません。代謝性疾患や弁膜症、高心拍出が必要な状態などがなければ、収縮性が低下もしていないのに、心機能が良いま…

左室の駆出率の保たれた心不全について(2)

HFpEFの急性心不全治療の注意点 急性心不全の治療と被る部分がありますが、HFpEFの非代償性心不全の治療の注意点は、循環不全と原因疾患です。 循環不全に関しては、すべての心不全に共通していますが、LVEFがそれなりにいいと、心拍出量は問題ないという先…

左室の駆出率の保たれた心不全について(1)

左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF, Heart Failure with presereved leftventricular Ejection Fraction)は、以前は拡張不全型心不全(diastlic dysfunciton)といわれていました。拡張機能に障害が出て不全を起こして心不全を起こしており、収縮機能は問題な…

PVループ(6)

最後に心臓の仕事量に関してです。 心臓は酸素やエネルギーを消費して、血液に対して仕事をして、血液にエネルギーを与えて循環させます。 平均血圧と心拍出量をかけた値が心臓が行った仕事として評価されることがありますが、これは外的仕事といって、心臓…