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左室の駆出率の保たれた心不全について(2)

HFpEFの急性心不全治療の注意点
 
急性心不全の治療と被る部分がありますが、HFpEFの非代償性心不全の治療の注意点は、循環不全と原因疾患です。
 
循環不全に関しては、すべての心不全に共通していますが、LVEFがそれなりにいいと、心拍出量は問題ないという先入観にとらわれて、循環不全のチェックを怠ることがありえます。
心不全診療になれていれば、左室の大きさと動きと弁膜症の程度をみれば、心エコーで評価できる心拍出量のなんとなくの過不足はわかるようになりますが、それでもやはり、身体所見、血液検査、尿所見などから循環不全の有無を評価して、心エコーの左室ないし右室の流出路での心拍出量の推定を行い、循環不全があるかどうか、あるならそれが心拍出量の低下からきているかどうかの裏付けをとる必要はあります。
ただ、これは、すべての心不全でルーチンで行いたいところです。
実臨床での順番としては、身体所見、心エコー、血液・尿検査であろうと思います。
循環不全と低心拍出量があれば、LVEFに関わらずドブタミンやミルリノンを投与します。これをせずに、循環不全の対応をしなければ、いくら利尿薬を投与しても利尿は得られませんし、どんどん状態は悪くなるばかりになります。
 
また、原因疾患についてですが、具体的に言うと、アミロイドーシスです。他は、心不全の治療が一通り済んでから検査を行っても遅くはありません。
アミロイドーシスでは、HFpEFの状態か、一歩進んで、左室肥大がかなり肥大しているのに、HFrEF状態になったかなり厳しい状態のものがあります。
ジゴキシンを使わないほうがいいなどの各論はありますが、アミロイドーシスの場合は、さらにその原因が多発性骨髄腫などの場合には、心不全治療で循環や呼吸状態を整えたうえで、骨髄生検などを行い、強心薬などをつけた状態で、自家移植などの治療をおこなわなければならないときもあります。
血液検査での、グロブリンの異常値(総蛋白とアルブミンの差)や心エコーでの心筋性状などHFpEFでは、アミロイドーシスを常に念頭に置くことが重要です。