心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

不整脈と甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンは、心不全にも影響しますが、不整脈も問題になりますので、不整脈と甲状腺ホルモンについてもお話ししておきたいと思います。 これも前回と同じCirculation誌のまとめ的な記事からの引用になります。(Anne R. Cappola, et al. Circulation. 2…

甲状腺ホルモンと心不全の関係

甲状腺ホルモンと循環器疾患の関係性はとても重要です。 AHAのガイドラインなどでも、拡張型心筋症をはじめとした心筋症や心房細動の初回診断、また、急性心不全の時には、甲状腺のホルモンを調べることを推奨しています。また、疾患ではありませんが、心房…

過度な塩分や水分の摂取も心不全の増悪の原因になる。

過度な飲水や塩分摂取によっても心不全は増悪します。 飲水や塩分負荷は前負荷を無駄に増やします。本来前負荷は、必要な心拍出量を維持するために必要ですが、過度な飲水や塩分摂取は子の前負荷を不要に増加させて、うっ血を増悪させます。また、高血圧や心…

薬の飲み忘れも心不全の急性増悪の重要な原因の一つです。

怠薬も最も重要な心不全の増悪の原因の一つといえます。 怠薬には、いろんな理由があります。 例えば利尿薬であれば、尿の回数が多くなるのが嫌で、飲むのをやめてしまったということが結構あります。多くの人は夜に尿が増えると何度も起きるため、夜間に尿…

過労による心不全の増悪と、それに対する心臓リハビリテーションの役割

急性冠症候群や感染、貧血などは発症する率をさげるような対応は可能ですが、防ぐこと自体は結構困難です。冠動脈CTをしようが、運動負荷をしようが急性心筋梗塞は発症を予測し予防することはできないというのが事実で、脂質の治療などを通して発症する確率…

うっ血を伴う心不全の時の輸血について

心不全であっても、高度な貧血の時には輸血が必要になります。 心不全の治療中に輸血や輸液をするというのはなかなかに勇気がいることです。 ただ、心不全でも、輸液などが有効な時ももちろんあります。治療経過の中で水を引きすぎて、それにACE阻害薬などの…

貧血と頻脈による心不全の経験

貧血や動静脈シャントは、hyperdynamic stateの心不全といわれます。貧血では、赤血球中のヘモグロビンが減少しているので、それだけ酸素運搬能が低下しています。濃度として低下しているので、それを補うには、血流量を増やす必要があります。つまり、心拍…

心不全の増悪因子としての貧血

貧血は、慢性心不全にしばしば合併します。心不全では、十二指腸から分泌される鉄の吸収に関わるホルモンの低下や、心不全によく合併する腎機能障害に伴いエリスロポエチンも低下することから、さらに貧血の合併が増えるとされています。これらは心腎連関、…

感染症による心不全の急性増悪

感染症も慢性心不全の急性増悪の原因となります。特に感染症の中でも呼吸器感染症が心不全の急性増悪を引き起こしやすいといわれています。 心不全の急性増悪の原因のひとつは、普段の安静時に体が必要とする酸素の需要以上に酸素需要が増えて、それを満たす…

血圧上昇による心不全の急性増悪

血圧が上がるだけでも心不全の急性増悪は起こりえます。 血圧が上がること自体でも、心不全になりえますが、おそらくほとんどは何らかの原因で交感神経系が過度に亢進して、その結果として血圧が過度に上昇し、心不全が急性増悪してしまうこともあります。こ…