心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

不整脈による心不全の急性増悪(心房細動や心房粗動の時)

心房細動や心房粗動によっても心不全は急性増悪します。心房粗動に関しては、心房が200bpmを超える頻拍となることやそれにより心房心室の連関がうまくいかないことで、心房機能が弱まります。また、ほとんどの場合には、心房と心室の伝導比が2:1となり、心室…

不整脈による心不全の急性増悪(徐脈と頻脈の時の心不全の違い)

不整脈も心不全の増悪の原因となります。もちろん心不全そのものの原因となることもあります。頻脈誘発性心筋症(TIC)という疾患概念や、動物実験で心不全のモデルを作るときに思いっきり早く右室ペースを続けることをしますので、正常な心臓でも頻拍を続ける…

慢性心不全の治療:急性増悪を防ぐために、急性増悪の原因を知ろう

心不全の慢性期治療を行うのにあたっては、①-③が目標になるのではないかと考えています。 ①心不全そのものの進行を遅らせること、可能であれば改善させること。​ ②心不全による症状をできるだけ抑えること。​ ③心不全の増悪(非代償化)させないこと。させたと…

慢性心不全の治療目標:治療の目標と私が考える緩和医療の定義

心不全の慢性期治療を行うのにあたっては、①-③が目標になるのではないかと考えています。 ①心不全そのものの進行を遅らせること、可能であれば改善させること。​ ②心不全による症状をできるだけ抑えること。​ ③心不全の増悪(非代償化)させないこと。させたと…

ヨーロッパ心臓病学会のガイドラインにみる慢性心不全にやってはいけない治療

心不全患者にやってはいけないこともガイドラインでは、まとめてあります。ESC(ヨーロッパ心臓病学会)のガイドラインをみていきます。 まずは、薬剤投与について記載があります。 有症候性のHFrEF患者に、ジアゼパムやベラパミルの使用は推奨しないとありま…

心不全に対する慢性期治療(5):イバブラジンと心不全へのEPA投与

今回は日本で発売されているイバブラジンとEPA(エイコサペント酸)についてお話ししていこうかと思います。 イバブラジンですが、日本では商品プロコラランというようです。この薬剤は、洞調律の心拍数を落とします。イバブラジンが作用するIfというチャンネ…

心不全に対する慢性期治療(4):ARNI

慢性心不全のHFrEF(Heart Failure with Reduced Ejection Fraction)に対する治療で、ACE阻害薬、βブロッカー、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬以外の薬物治療についてのお話ししたいと思います。 主に、今回はまず、日本で未発売のARNIについてお話しして…

心不全に対する慢性期治療(3): βブロッカーとACE阻害薬とMR拮抗薬

HFrEFの治療としての2トップは、βブロッカーとACE阻害薬です。トップ下にミネラルコルチコイド受容体拮抗薬といったところでしょうか。 基本的には、禁忌事項がない限り導入していくことになります。 βブロッカーとACE阻害薬のどちらから導入するかというと…

心不全に対する慢性期治療(2):HFrEFの治療

HFrEF(左室駆出率の低下した心不全、Heart Failure with reduced Ejection Fration)の慢性期の治療薬とDeviceに関しては、ガイドラインに詳細に記述されています。HFrEFは、心エコーで左室駆出率が40%以下の心不全を指します。また、他のHFpEFなどは心不全症…

心不全に対する慢性期治療(1)

心不全の慢性期治療に関しては、ある程度共通の治療と、何らかの原因があれば、その原因に対しての特異的な治療があります。特異的な治療に関しては、原因毎にありますので、ここではある程度共通する一般的な慢性期治療の話をしていこうかと思います。 特定…