心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

急性心不全の治療(27):頻拍に対する治療(心房細動、心房粗動の時)

心房細動の時にどうするかですが、心房細動の時には、洞調律の時に使えるジギタリス、オノアクトに加えて、ワソランやヘルベッサーも有効になります。また、特に初回の心房細動では電気的除細動をどのタイミングで行うかというのも、重要な選択肢になります。…

急性心不全の治療(26):頻拍に対する治療(洞調律の時)

循環不全や利尿が不十分で、その理由として心拍数が考えられる時には、心拍数そのものを治療しに行くことになります。あくまで目安ですが、洞調律の時には110bpmくらいまでは、心拍出量が低下する原因にはなりにくいかと考えていて、甲状腺などの原因を調べ…

急性心不全の治療(25):急性期の心拍数の評価は、モニター心電図を使いましょう。

心不全の急性期に心拍数に対して治療するかどうかは、悩ましい問題です。 救急外来や入院直後の頻拍に関しては、循環不全や呼吸不全に対して治療を行うことで安定することは多いと思います。 では、どのくらいの心拍数なら、そのまま様子を見るかという問題…

急性心不全の治療(24):急性期および重症心不全治療におけるACE阻害薬の意味と使い方

心不全の慢性期に、予後などをよくすることを目的にして使用する薬剤として代表的なものに、ACE阻害薬とβ受容体遮断薬があります。 β受容体遮断薬は、心機能を一時的に抑制する作用があるため、急性期から使用する時には、心拍数を何とかしたいというとき以…

急性心不全の治療(23):患者さんのセルフケアの必要性、外来での急性心不全治療での利尿薬の使い方

急性心不全の治療は、循環不全を常に意識し、呼吸状態を安定させながら、全身の溢水とうっ血を改善させるということになります。 基本的には、どんな心不全でも考え方や評価の仕方は同じで、重症になればなるほど、低拍出による循環不全が前面に出てくるので…

急性心不全の治療(22):心不全治療の時の1日尿量は2500±500mlくらいでいいと思います。

ファーストタッチの後に、具体的にどのように利尿薬を使用するかをお話ししました。 心不全の急性期の治療において、どれくらいの尿量があればよしとするかについての、私がなんとなくこれくらいかなと思っていることをお話ししたいと思います。 できるだけ…

急性心不全の治療(21):ひとまずのラシックス静注後の利尿薬の選択をどうするか。そして、ラシックスはクロールとともに持続静注を。

慢性心不全の急性増悪の時に私が行っていた利尿薬の投与法は、まず、ラシックスを10 or 20mg静注して、その反応を60分程度でみて、次にどうするかを考えていました。 次に打つ手として多いのが、トルバプタン(サムスカ)の追加内服か、ラシックスの追加静注で…

急性心不全の治療(20):ファーストタッチのラシックス10 (or 20)mg投与

心不全の急性期の薬剤治療については、最も重要なのが利尿薬です。 また、特に重症心不全などでは利尿薬を使いつつ、ECUMという選択肢を意識しておくのも重要です。 さて、ほとんどの心不全の増悪状態では、ある程度余分な水が体にたまっていることがほとん…

急性心不全の治療(19):カルペリチドの具体的使用方法とガイドラインでの扱いに対する疑問

カルペリチドの具体的に使用用法としては、少量から開始し、必要があれば増量するということでいいだろうと思います。具体的には、0.01γ(=ug/kg/min)程度で開始して、0.005 or 0.01γずつ30-60分程度で増量していく感じでいいと思います。それ以下でしか始め…

急性心不全の治療(18):私がカルペリチドを使わなかった理由

日本で一番使用されているらしい血管拡張薬のカルペリチドについてです。確認ですが、カルペリチドは血管拡張薬で、少し利尿作用がある薬剤です。利尿薬ではありませんので、利尿作用は付加価値的に考えるのがいいと思います。 また、薬理的にはアルドステロ…