心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

心不全のすべて(6-1:拡張機能を障害するもの (心膜と間質線維化を中心に))

心臓の拡張機能(いかに柔らかくなれるか)は、非常に重要です。 心室が全身や肺循環からの血液を受けいれるのに、拡張末期の圧が上がってしまうのには、いくつかの要因があります。 心臓の弛緩の要素として、心筋細胞そのもの、心臓の心筋細胞以外の間質組織…

心不全のすべて(5:心不全のうっ血症状の原因)

心不全の症状は、大きく二つに分かれます。 一つは、心房圧上昇によるうっ血症状で、もう一つは心臓から駆出される血液量が、有効循環血流量に満たないためにおこる低潅流症状です。 今回は心房札上昇によるうっ血症状についてお話します。 心臓の機能が低下…

心不全のすべて(4:心室の拡張末期圧とは?)

心臓は、収縮する臓器でありますが、エネルギー自体は拡張するときに多くを使っています。心臓は拡張する臓器でもあります。 心臓が拡張するときには、心筋細胞内では細胞内のカルシウム濃度を下げることによって、心筋細胞内のアクチン・ミオシンという収縮…

心不全のすべて(3:心臓の発生と大きさ)

心不全の根底には、心臓に血液が充満するとき(拡張期)に心臓の中の圧力(心内圧)がどれだけ上がらずに血液を貯められるかということが、非常に重要です。 心臓は、おそらく心筋そのものはかなりおおきくなれるポテンシャルを持っていると思います。 その前に…

心不全のすべて(2:心機能の悪い心臓とは?)

心不全は、何らかの原因で機能低下した心臓が原因です。 では、心機能が良い、悪いはどうしたらわかるでしょうか。 一言でいうと、心臓、特に心室がもっとも拡張したとき(収縮する寸前)の、心室の中の圧力が上がらない心臓は、悪くないといえます。 心臓は、…

心不全のすべて(1-2:心不全とは)

血流量心不全とは: 何らかの心機能の障害、または、全身の需要の亢進により、有効な循環血流量を維持できない、または、有効循環血流量を維持するために心臓に何らかの負荷がかかっている状態を心不全といい、 この状態が安静時に起こっている場合はもちろ…

心不全のすべて(1:心不全とは)

今回から、心不全について書いていきたいと思います。 まず、「心不全とは」からいきます。 心不全とは、心臓が何かしら悪いということ。 心不全とは、すべての心疾患の結果。 心不全とは、心臓が悪くて起こる自覚症状、他覚所見(レントゲンとか血液検査とか…

血圧治療に遠隔管理は重要。

家庭血圧の測定は、高血圧の診断でも重要で、治療過程でも非常に重要です。 現時点では、可能な限り自宅で毎日朝・夕に血圧を測定していただいて、それを何らかの方法で記入していただいたもの(たいていは血圧手帳)を外来に持参いただき、それを参考にして、…

CAVIとはなんだ? 

CAVI (心臓足首血管指数:cardio-ankle vascular index) CAVI検査は、血管の硬さをみる検査です。値としては9以下が正常とされ、10以上は血管が硬くなっているとされます。 血管は年齢とともに硬くなっていってしまいますが、他にも動脈硬化を起こすといわれ…

健康診断で、尿酸値が高いといわれたら

尿酸というと、痛風発作で関節が腫れて、風が吹いて触るだけで痛むほど強い痛みが生じるというイメージだと思います。 血液に尿酸が解けるのが、7.0mg/dlまでとのことですので、7.0mg/dl以上では高尿酸血症となり、痛風発症のリスクとなります。 ただ、他に…