心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

後負荷とは

後負荷とは、心臓が収縮して血液を大動脈に拍出するのに対して邪魔するをすべてのものとなります。後負荷を理解するには、2つの要素の理解が必要になります。まずは、血圧。そして、閉塞性肥大型心筋症と、その閉塞の程度に対する降圧薬の効果です。まずは…

心房のサイズが拡張機能の指標となる理由

心エコーで、拡張機能の評価や心不全の治療反応評価で測定される指標として、左房容積、E/A、E/e'といわれる項目があります。特に、左房容積は、拡張機能が悪い心不全の指標の一つとして重要視されています。 心房は、基本的に組織的な構造は心室と同じです…

右心機能評価(2)

エコーに関しては、アメリカの超音波学会のガイドラインを参考にします。 the American Society of Echocardiography Recommendations for Cardiac Chamber Quantification by Echocardiography in Adults: An Update from the American Society of Echocard…

右心機能評価(1)

以前に総合病院にいた時に、知り合いの別の科の先生から、外来患者さんがえらい息苦しいってゆうてんねんけど、ちょっとみてくれへんと連絡がありました。 ポータブルエコーを片手に外来に行き、エコーを当てて、すぐに肺血栓塞栓症かなと言って、やはり肺血…

感染性心内膜炎(3)

感染性心膜炎(IE)の診断が付けば治療と、必要な追加検査、手術の必要性の検討となっていきます。 診断については、最近は次世代シークエンサーでRNAなどを特定することができ、血液培養よりも、菌の残骸といいますが、断片といいますか、そのような感じのfra…

感染性心内膜炎(2)

感染性心内膜炎(IE)の診断は、疑うことから始まります。 人工弁やペースメーカなどの方に呼吸器や消化器感染症状のない発熱などの感染症状があれば、初めから選択肢に入る可能性は高いと思います。しかし、特に弁膜症の指摘のない人が発熱しただけでは、なか…

感染性心内膜炎(1)

感染性心内膜炎は、心臓の心内膜や弁など構造物、ペースメーカーや人工弁などに細菌感染が起こる病気です。 診断が付けば、まずは、グラム染色などを参考にempiricに治療を行い、感染菌の同定後には、descalationを行って、しっかりと抗生剤で治療しつつ、合…

心臓リハビリテーション(14)

施設認定についてお話ししようと思います。 心リハ1と、心リハ2に分けられます。 大きな違いは、保険点数の差と、心リハ1が基本的に循環器ないし心臓血管外科の常勤医師が1人必要で、心リハ2では特に必要ではないこと、担当する理学療法士または看護師が…

心臓リハビリテーション(13)

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版,最終更新2015/1/14, 心リハガイドライン)によると、循環器疾患の方に主に運動療法を行うことで、以下の効果が認められるとされています。 エビデンスレベル A (400例以上の症例を対…

心臓リハビリテーション(12)

心肺運動負荷検査(CPX, Cardiopulmonary Exercise Test)の指標についての補足的なお話をしたいと思います。 説明なく、peakVO2という言葉を使いました。日本語では、最大酸素摂取量といいます。​ 繰り返しますが、peakVO2は、心機能や全身がどれだけの運動が…