心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

心臓リハビリテーション(8)

リハビリの運動療法をするときに、一番重要なのは運動療法をやってはいけない人や中止基準を知っておくことだと思います。 心臓リハビリテーション学会のガイドラインには、運動療法の適応と禁忌,リスクの層別化(AHA exercise standard より改変) として…

心臓MRIの4ch断面をみていて

心臓のMRIの解析をしている最中に、4chamber viewで動く心臓をみていた時に思ったことです。 心臓が4chの断面できれいに切られていて、心尖部から心房の頂部まで一つの断面になっていました。 ずっと動いている心臓をぼぉーとみていたのですが、心臓の大きさ…

心臓リハビリテーション(7)

前回の仮定の患者さんですが、もともと生活は完全に自立していて、家事全般自分で行っていた高血圧治療中の70歳女性。肺うっ血多少で、少し息苦しい。全身の浮腫が強いが、低潅流所見はない。BNP 160pg/ml、Cr 1.2。エコーはpreseved EF。入院当日の治療で呼…

心臓リハビリテーション(6)

急性心不全で入院された方に対する心リハのかかわり方の具体例をお話ししていきたいと思います。 例えば、もともと生活は完全に自立していて、家事全般自分で行っていた高血圧治療中の70歳女性。肺うっ血多少で、少し息苦しい。全身の浮腫が強いが、低潅流所…

心臓リハビリテーション(5)

心不全の心リハ適応となるような患者さんが入院すると、心リハにエントリーすることになります。 具体的な手順としては、心リハの担当者(医師 or 看護師 or 理学療法士)が、全体の新入院患者を個人情報が許す範囲で把握して、心リハの適応がありそうな人がい…

心臓リハビリテーション(4)

心不全のリハビリの対象の多くは、BNP 80pg/ml (or NT-proBNP 400pg/ml)以上であろうと思います。LVEFが40%以下で、BNP 80以下という状態の方は、安定している外来患者さんや、慢性心不全ではあるものの、心不全とは別の理由で入院してきた患者さんではあり…

心臓リハビリテーション(3)

心リハを実際にしていて最も実感するのは、運動耐容能の改善です。運動耐容能の改善というのは、より強度の高い運動ができるようになるとか、同じ運動でも楽にできるようになるということになります。楽にできているかどうかは、本人の自覚症状もそうですが…

心臓リハビリテーション(2)

どのような患者さんに心臓リハビリテーションを行えばいいかというと、循環器疾患を患っているすべての患者さんが対象となります。しかし、基本的には保険医療ですので、保険で償還される患者さんに行っていくということになります。ちなみに、運動療法には…

心臓リハビリテーション(1)

リハビリテーションほど重要な治療はないと思っています。βブロッカーよりも心臓リハビリテーションだと思っています。(もちろんあえてどちらかを選ぶ必要はないのですが) 個人的には、心臓リハビリテーションという言葉よりも、循環器疾患リハビリテーショ…

左室の駆出率の保たれた心不全について(5)

若年者の肥大心を認めた場合には、精査は必要です。どのレベルまでの検査を行うかに関しては悩ましい時が多々あると思います。 心不全症状があったり、急性心不全で入院した場合には、心エコーはもちろん、除外診断を行うための血液検査・尿検査、冠動脈疾患…