心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

今更ですが、僧帽弁の構造について。

僧帽弁は、今更ですが、2枚の弁で構成されています。ほかの弁はすべて3尖で構成されています。 大動脈弁は3つの尖がほぼ均等な大きさですが、僧帽弁は前尖が大きくて、後尖が少し小さくなっています。 ただ、面積で言えば、前尖のほうが大きいのですが、弁…

一次性僧帽弁閉鎖不全症の原因とは?

僧帽弁閉鎖不全症の原因 僧帽弁閉鎖不全症の原因は、大きく一次性と二次性といわれるものに分かれます。 今までの重症度の数値の記載は、あくまで一次性僧帽弁閉鎖不全に対する評価です。二次性では値が同じものと異なるものがあります。 一次性、二次性とは…

僧帽弁閉鎖不全症の診断にvena contractaはあまり使用しないが、

vena contracta 僧帽弁の閉鎖不全症の診断として、時折用いられるのがvena contractaです。 ただ、僧帽弁閉鎖不全の時には、カラードプラーエリアでざっくりみて、中等症以上を疑うときには、連続の式(通過血流量からの計算)と、PISA法を用いて、評価するこ…

僧帽弁閉鎖不全症:PISA法とは?

PISA(Proximal Isovelocity Surface Area)法 (4800文字、いつもの2-3倍あります) (逆流量:重症 ≧ 60ml、60ml > 中等症 ≧ 30ml、30ml>軽症) (有効弁口面積:重症 ≧ 0.4cm2、0.4cm2 > 中等症 ≧ 0.2cm2、0.2cm2>軽症) 今回は、PISA法といわれる方法…

僧帽弁閉鎖不全:連続の式、通過血流の測定による逆流量および逆流率の算出

僧帽弁閉鎖不全症の心エコーによる定量的評価 1) 通過血流の測定による逆流量および逆流率の算出 (逆流量:重症 ≧ 60ml、60ml > 中等症 > 30ml、30ml>軽症) 逆流量の測定はかなりの慣れが必要です。普段から、余裕のある時に弁膜症のない人でも測定しておく…

僧帽弁閉鎖不全症の重症度評価はカラードプラーから始めましょう

僧帽弁閉鎖不全の、心不全を起こすかどうかという観点からみた疾患の本態は、逆流による心室の拡張末期容積の増大です。 弁膜症、単体としての疾患の本態は、収縮末期にどれだけ僧帽弁が開放しているかということです。つまり、僧房弁の開口面積ということに…

僧帽弁閉鎖不全症の重症度は逆流量 50%が基準

僧帽弁閉鎖不全症の血行動態に影響を与える主な因子は、逆流する分余分に拡張した拡張末期容積による拡張末期圧の上昇です。左房に関しては、機能低下が起こると一層の複合的な結果として平均左房圧が上昇すると想定されます。 ## 例えば、本来であれば、 …

心房機能 (僧帽弁疾患をみるために必要な知識として)

僧帽弁閉鎖不全症があるかないかの診断は容易ですが、重症度の診断は非常に難しいと思います。すべての弁膜症でいえることですが、狭窄はあるとわかれば重症度診断は比較的容易で、閉鎖不全に関してはあるのがわかっても重症度の診断は結構難しいです。 僧帽…

中等症以上の弁膜症と診断したら、一度専門医へ紹介を。

僧帽弁狭窄症をはじめとした弁膜症の治療に関しては、ガイドラインを遵守していただければと思います。 弁膜症の手術を日常的に行っていない施設で、弁膜症の診断となった患者に関しては、中等症以上のものは、早い目に紹介したほうがいいように思います。 …

僧帽弁狭窄症(MS)

僧帽弁狭窄症(mitral stenosis) 僧帽弁狭窄症は、ほとんどみなくなりました。 専門施設にいてても、治療が必要な僧帽弁狭窄症は年に数人程度でした。 僧帽弁狭窄症は、リウマチ熱後の弁の変性・硬化により生じるとされています。 広い意味での僧帽弁狭窄症は…