心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

肺動脈弁閉鎖不全症の評価方法

肺動脈弁閉鎖不全は、traceからmild程度ならしょっちゅうみますし、moderate位もたまに見ると思います。
ただ、何をもってmildとして、moderateとするのか、AHAのガイドラインは教えてくれません。
また、ASE(アメリカエコー協会)も、これに対する答えは教えてくれません。

 

が、ヨーロッパは違います。
ヨーロッパ心臓病学会のガイドラインでは、mildやmoderateすら鑑別してくれています。
ほかの逆流性弁膜症での重症度評価で用いられているVena contractaで重症度評価をしています。
Vena contractaに関しては、ヨーロッパのガイドラインはかなり推していてます。ただ、2Dでは限界があるとして、具体的な基準値を載せていませんが、ガイドライン中の具体例として、4.6mmは中等度で、8.1mmは高度としています。

3Dエコーで測定できるVena contracta areaは、かなりいけるんじゃないかと期待を持っているようで、3Dエコーのカラードプラーで測定されるvena contracta areaである有効逆流弁口面積に関しては、20mm2以下を軽度、21-115mm2を中等度、115mm2を超えるものを高度としています。
また、PISA法のような感じで有効逆流面積と、逆流の連続はドプラーの時間速度積分値で計算される逆流量でも、重症度を評価していて、15ml未満を軽度、15-115mlを中等度、115mlを超えるものを高度としています。

 

PISA法に関しては、臨床研究などもなくて評価できないとしています。
たしかに、日常的なレベルで、肺動脈弁の向こう側にあるPISA玉をきれいに描出できるのは、かなり限られた患者さんだけではないでしょうか。
普通は、弁自体の観察が困難なことも多いので、確かに、弁のこちら側で測定できるVena contractaのほうが、実用性はあると思われます。

というような肺動脈弁の評価ですが、やはり報告も少なくエコーでの重症度評価は、定量的に行うのはまだ難しいと思われます。

客観的に行こうとする、やはりカテーテル造影の肺動脈造影になるのだと思います。
ただ、肺動脈狭窄症のカテーテル検査はしたことあるのですが、逆流症の検査はしたことがないので、具体的には書けません。

小児科の先生が詳しいので、今度機会があれば、インタビューして記載したいと思います。