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PS(2):肺動脈弁狭窄症、ガイドラインを踏まえて

肺動脈狭窄症に関しては、あまり言及されている成人のガイドラインはありません。
あまり見ることもないというのが現状だと思います。
 
AHAのガイドラインでは、原因には、特にこれといいうものは記載はなく、弁自体の硬化変性程度の記載になっています。
 
エコーで肺動脈弁を観察するのは、患者さんのエコーの見えやすさに完全に依存します。他の弁は、経食道エコーも含めれば、弁自体の観察やだいたいの原因を特定することは可能で、手術を決定するのに十分な情報を提供してくれます。重症度の評価が困難なことのほうが少数派だと思います。
 
ただ、肺動脈弁に関しては、経食道エコーでは、一番遠くにみえる弁になります。動いているのはわかりますが、詳細な評価は困難で、経胸壁では、一番近くに見えるはずですが、人によっては弁自体の観察が困難ですし、それなりに逸脱であれば、わかるかもしれませんが、直接狭窄の程度などを観察することはできません。
 
狭窄の程度に関しては、比較的エコーが肺動脈とエコーのガイドビーコンが平行にしやすいため、狭窄の加速血流自体は測定しやすいと思われます。
また、肺動脈に関しては、以前、心臓内超音波といって、カテーテルの先端にエコーのプローブがついているものがあり、それで観察することができました。最先端の機器の解像度などはわかりませんが、肺動脈弁の観察には有用だと思います。
前回、お話しした弁下狭窄も心臓内超音波とカテーテルでの圧較差を細かく測定することで術前診断できています。
カテーテルの検査自体も右心系カテーテル検査であり、脳梗塞のリスクはなく、比較的低リスクで行えるかと思います。
 
 
AHAのガイドラインでは、重症度に関する具体的な指標はpeak PGのみ記載されており、連続派ドプラー検査で4m/s、または、推定圧較差64mmHgと記載されていますが、エコーでは4m/s=推定圧較差 64mmHgですので、結局は4m/s以上ということになります。
また、他のエコー所見として、右房や右室の拡大とありますが、これも前回お話ししたように、弁狭窄ではありませんでしたが、生まれつきの異常で、成人まで無症状できている場合には、右心系が完全に状況に適応している可能性があります。
そうすると、右室も右房も全く拡大しておらず、元気でいきのいい右室があり、それに正常の大きさの右房がついているということもあります(私の経験ですが)。
 
このような場合には、やはり症状や弁置換の必要性などが手術をするかどうかを決める重要な要素となってくるのかも制れません。