心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

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TR(1):三尖弁閉鎖不全症とは

三尖弁閉鎖不全症は、英語で、tricuspid valve insufficiencyですが、略号では、三尖弁逆流の略であるTR(tricuspid valve regargitation)と表記されることがほとんどです。大動脈弁閉鎖不全症は、ほとんどARですが、AI(aortic vavle insufficiency)と略すこともあり、最近よくみられるようになっています。

 

さて、TRに関しては、TR自体の治療について深く考える機会はほとんどないかと思います。ある程度の施設で1年に一人いるかどうかくらいかもしれません。
私も、TRの単独治療は1例で、確か交通事故か、何かが胸に当たったかだったと思いますが、外傷性の重症のTRで、心エコーで評価される左心および右心機能に問題がなかったため、単独の形成術となっています。
他には、ペースメーカのリード感染に伴って三尖弁も破壊されたために、抗生剤を6週程度しっかりと投与したうえで、リードの抜去と三尖弁の形成術を同時にやってもらったというくらいだと思います。


また、一番初めにどんな理由で手術されたのかは忘れてしまいましたが、10年以上前に三尖弁に生体弁が入れられていて、それが弁の硬化をおこして、三尖弁狭窄症となっていて、僧帽弁狭窄の治療用の井上バルーンというカテーテル治療器具で弁をばりばりとあけたこともあります。


こういった珍しいケースはありますが、基本的に三尖弁の手術は冠動脈バイパス術や僧帽弁の手術の時に同時に行うことが一般的です。

このような三尖弁閉鎖不全症について、しばらくお話をしていきたいと思います。