心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

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健康診断で高血圧と言われたら

健康診断で高血圧と言われたら、どうすればいいかですが、第一に行っていただきたいのは家庭血圧を測定するということです。

 

上腕で測れるタイプのもので、しっかりと腕を覆えるものにしてください。このあたりが不十分だと機械の脈拍の探知が甘くなって、正確な血圧が測れないことがあります。

 

1日2回、1回につき3回測定してください。3回測定して、真ん中の値か、最後の値がいいと思います。なぜ、3回かというと何らかの影響で1回では正しく測定できていない可能性があるのと、3回測っている間に、5分程度経過するからです。実は測定は5分安静後に測定するのがいいとされています。

朝の測定の時には、起床して、少し飲水し、排尿後測定してください。同じ時間というよりは、起床後というのがいいと思います。

夜は、食事後2時間程度は開けて、できれば就寝前くらいがいいと思います。時間は異なっても構いません。

測定するときには、必ず測定する上腕と心臓の高さが同じになるようにしないと重力の影響で、正しい値が出ません。

 

その値を1週間程度まとめてください。

それだけあれば十分高血圧かどうかを診断できるからです。

 

血圧が130/80mmHgを下回っていたら、現時点で白衣高血圧といって、治療対象となる高血圧ではありません。ただ、高血圧になりリスクが高いので、1週間に一度でもいいので、血圧の測定を続けてください。

 

血圧が130/80mmHg - 140/90mmHgの人は、正常高値血圧といます。高血圧ではありませんが、動脈硬化性疾患のリスクは上がり始めるグループになりますので、血圧測定を週に3回とか頻度を落としてもいいので、続けてください。

それと塩分の摂取量の把握と、DASH食を意識した食事をしていただければと思います。

もちろん、すでに糖尿病や腎不全、心疾患で通院中の方は、治療が必要な範囲となりますので、かならず主治医に相談してください。

 

140/90mmHg以上の方は、高血圧です。

140/90mmHg - 180/100mmHg程度の高血圧の方は、ひとまずは、食事(塩分制限,DASH食)、運動療法などを取り入れてください。

それでも、家庭血圧で140/90mmHgを切らない人は、特に若い人に関しては、内服治療を勧めます。若ければ若いほど早期の治療を勧めます。

最近コレステロールで、正常よりどれだけ高い値が、どのくらいの期間続いたかが動脈硬化性疾患の発症に関与するという考えがあり、これが高血圧にも当てはまるように思います。若いときから高い血圧が蓄積して、動脈硬化性疾患が発症する素地を作るようなイメージです。

内服治療になると、腎臓の機能や肝臓、他の疾患の有無も問題になります。

診療所などで相談の上で治療を受けていください。

もちろん、高齢の方には、年齢と、その段階での動脈硬化の既往歴や程度により治療は異なりますので、まず医師に相談してください。

 

180/100mmHg以上の人は、2次性高血圧の除外診断を受けながら、内服の治療をまず行ってください。ほっておいても改善はしません。まず、血圧を薬でコントロールしながら、塩分制限などを行い、徐々に正常血圧に戻る体質にしていってください。

内服は2種類以上いる可能性もありますが、改善できれば、減量できる可能性は大いにあります。

 

また、可能であれば、MRIで脳血管を調べる脳MRA検査を受けてください。脳動脈瘤は命取りになりますし、治療で脳出血の予防が可能ですので、健康診断などのオプションでぜひ受けてください。ただし、脳梗塞の予防はできません。

 

心臓のMRIやCTを受けたからといって、現時点で心筋梗塞の予防はできません。ただ、心臓の血管に動脈硬化があれば、その時点での、血圧・脂質、糖尿病などの状況では心臓の血管に動脈硬化を及ぼすということですから、正常値であっても個別医療という考えで、血圧と脂質の治療を行ってください。もちろん喫煙しているなら禁煙もしてください。同じ状態であれば、加齢性に進行しますので、かならず現状を変える努力を行うか、治療を行って進行しないようにしてください。