(高血圧の原因は、結局わからないが)
高血圧は、いわゆる2次性といて血圧を上げるようなホルモンが異常に高くなるような病態を除いては、結局本態性といって、何が原因かはわかりません。
喫煙に関しても、ニコチンが15-20分程度血管を収縮させて血圧を上げるため、繰り返してすえば、繰り返しの一時的な刺激が機能的な収縮から、収縮の閾値を変化させて慢性的な血管不全をもたらしそうな感じもありますが、結局はわかりません。
また、普通の人の血圧も、なぜこの人は90/60mmHgなのか、120/70mmHgなのかわかりません。
少し違う目的の論文ですが、アジルサルタンという武田薬品工業の降圧薬をつかって、人工的に腎不全を作ったマウスの食塩感受性を見た試験になります。
Vehicleというのが、人工的に腎不全を作っただけのマウスで、食塩を負荷すればするほど血圧が上がりやすいということを表しています。
これに同じ武田薬品のカンデサルタン(商品名ブロプレス)、さらに、アジルサルタン(商品名アジルバ)をいれると、同じ食塩でも血圧の上がり方が緩やかになり、降圧効果が食塩感受性で説明できるという図です。
Hatanaka M,et al. PlosOne 11(1): e0147786.
Azilsartan Improves Salt Sensitivity by Modulating the Proximal Tubular Na+-H+ Exchanger-3 in Mice.
この図で、アジルサルタンが強い降圧効果があり、それが食塩感受性で説明できるんだなというのがわかりますが、それはいいとして、個人的には食塩負荷していない状態で、同じ腎不全モデルなに、血圧自体は結構ばらついていて、結局何がその個体の血圧を決定させている要因は何なんだろうということです。
女性ホルモンは、動脈硬化全般にいいことをしますので、女性は低めなのかとか、体が小さければ必要な酸素量は低くなり、必然的に心拍出量が減りますので、それで血圧が低めなのかとか。最終的に、平均血圧の値を決めているのは、脳の中枢であろうと思いますので、何が決定するのか、医学的に判明すれば治療は脳へと移っていくのだろうと思っています。