心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

高血圧とは。そもそも血圧とは何か。治療はした方がいいのか。(21)

(α1受容体遮断薬)

高血圧が維持される中で、自律神経の交感神経が非常に重要な働きをしています。

また、臓器によって、交感神経の受容体の中でもどの受容体が強く発現(多く存在)しているのかによって、同じ刺激を受けても異なる挙動を示します。

たとえば、心臓には主にβ1受容体が発現していて、交感神経の刺激増強に伴い、心臓は心拍数が速くなり、また、より力強く拡張し、結果的に強く収縮するようになります。

気管支などの平滑筋にはβ2受容体が発現しており、これを刺激することで、気管支は弛緩して、気道の閉塞が改善します。そのため、気管支喘息に治療薬となります。

また、脂肪細胞には、β3受容体が発現しており、β3受容体の刺激は、白色脂肪細胞(貯蓄型の脂肪細胞)から脂肪酸を遊離させ、褐色脂肪細胞(浪費型の脂肪細胞)は脂肪をせっせと燃焼させてエネルギーを作ります。

α1受容体とα2受容体は、拮抗して働きます。そのため、血管を収縮させる刺激を伝えるα1受容体をブロックすると、その分α2受容体が強く刺激されます。α2受容体は、もともと、α1受容体を刺激するノルアドレナリンなどをシナプスという受容体のある空間から除去して、α1への効果を短期的にとどめる作用があり、この効果が強くなることで一層降圧効果が強くなります。

ただ、あまり降圧効果や臓器への良い作用などがほかの降圧薬に比べて弱いため、あくまで補助的に使用されます。

 

副作用ですが、起立性低血圧、いわゆる立ち眩みなどですが、薬剤を中止すればすぐに改善します。

少量から始めて、こまめに増量すれば、症状が出た一歩手前の用量で継続すればいいかと思います。