急性心不全の治療
陽圧換気が循環動態にどのような影響を与えるかについてお話ししていきたいと思います。 まず、要約すると、非侵襲的陽圧換気で、持続的な陽圧(CPAP)を10cmH2Oかけると、肺の圧が上昇し、肺が心臓の拡張を阻害します。それによって、最終的には、右房圧と肺…
陽圧換気には、段階的にnasal high flow(NHF)、noninvasive positive airway pressue(nPAP) or nonivaseve positive airway pressure ventilation(NiPPV)、 invasive positive airway pressure(iPAP)があります。 nasal high flowは、特殊な回路を用いて、鼻…
心不全の時の呼吸管理の方法をまとめます。 酸素は多少なりとも投与するとして、次に大きく陽圧換気がないものと、あるものにわけることができます。 まずは、一般的によく使われるカヌラ、マスクです。 酸素の投与量は、1分間に酸素の供給を何リットル行う…
急性心不全の呼吸管理に関しては、酸素投与は必要なことが多いと思います。 その中でも心不全の呼吸管理では、陽圧管理が必要かどうかということが重要になると思います。 非侵襲的な陽圧管理(noninvasive positive airway pressure ventilation, NiPPV)は心…
何度かPICCという言葉を説明なく使いました。PICC(peripherally inserted central catheter)というのは、日本語では末梢静脈挿入型中心静脈カテーテルという風になります。 つまり、両腕の末梢静脈から細めのカテーテルを入れて、それを中心静脈かそれに近い…
ドブタミンとミルリノンの具体的な使用方法をもう少し具体的にみていきます。 ①ドブタミン 使用量:1.5 or 2γ程度から開始し、5γ程度にとどめる ドブタミン 3γ程度で循環不全の症状が改善がないときは、ミルリノンの併用を早期から考慮する (感染などに…
強心薬の具体的な使用の仕方をお話ししていきたいと思います。 強心薬として使われているのは、ドブタミン、ミルリノン、オルプリノン、ドーパミンになるかと思います。 また、強心薬と似て、非なるものが昇圧薬です。これには、ノルアドレナリン、バソプレ…
循環不全と診断したら、強心薬を使用する必要があります。 一部の観察研究などのデータで、心不全の治療に強心薬を使うと、多変量解析でほかの因子を補正しても、予後が悪いので、できるだけ使用しないほうがいいという意見があります。 このような意見は基…
心不全の時に尿化学検査をどのように評価をするかですが、個人的にはいろいろと模索した結果、電解質だけをみればいいのではないかと思うようになりました。 ただ、尿中のクレアチニン(urinary Cr, uCr)や尿素窒素(urinary UN, uUN)、尿酸(urinary UA, uUA)…
低潅流による循環不全のゴールドスタンダードはなんでしょうか。 私の答えは、尿中クロールです。 10割本気です。 一時期、心筋マニア、心不全オタク、ただの通りすがりの心不全屋などなど、いろいろといわれながら、たどり着いたラフテル、それが心不全の循…
低潅流の所見は、手を触って、指で爪を押さえて毛細血管充満時間(CRT, capillary refilling time)を計ってみる、そうするとすぐに評価が可能です。 しかし、主観的な要素の強い検査ですし、これが陽性だからといって、なかなかすぐに強心薬などの治療に踏み…
心不全の治療をお話ししていこうと思います。 急性心不全の中でも、特に慢性心不全の急性増悪といわれる心不全の治療をイメージして述べていきたいと思います。 心不全の中には、劇症型心筋炎や、移植か緩和医療しかないというくらいの重症心不全など非常に…