心不全を中心とした循環器疾患に関する単なるブログ

心不全について私が知る・思うすべてのこと

急性心筋梗塞の時に、スタチンを静注してみたら。

J Am Coll Cardiol. 2020 Mar 12Guiomar Mendieta, Soumaya Ben-Aicha, Manuel Gutiérrez, Laura Casani, Monika Aržanauskaitė, Francesc Carreras, Manel Sabate, Lina Badimon and Gemma VilahurIntravenous Statin Administration During Myocardial Inf…

上大静脈欠損型心房中隔欠損に対する新しいカテーテル治療

Jan Hinnerk Hansen, Phuoc Duong, Salim G.M. Jivanji, Matthew Jones, Saleha Kabir, Gianfranco Butera, Shakeel A. Qureshi and Eric Rosenthal;J Am Coll Cardiol. 2020 Mar 24;75(11):1266-1278, Transcatheter Correction of Superior Sinus Venosus …

心不全の時にビソノテープはなかなかに使いやすい

心不全に心房細動などの頻脈が合併することは多いと思います。 以前に、急性期どうするかお話ししましたが、 www.kenkohlive.com www.kenkohlive.com www.kenkohlive.com 慢性的に服用していなければ、ひとまずジゴシンを1A(1Aって良く設計されていると思…

新型コロナウイルスに関して、私の言えることは、VA-ECMO、VV-ECMOの積極的な使用を考慮いただきたいということ

コロナウイルスに関して、私は感染症の専門ではないので、全般的なことは何も言えませんが、当初中国からの報告で心臓への障害が強いと、中国の医師が記者会見で言っていたので、心筋炎が起こっているのだなと思っていました。 コロナウイルスなどのウイルス…

重症の心不全患者への栄養投与について

重症の心不全患者への栄養投与法に関してのお話になります。 重症心不全の患者が何らかの理由で気管挿管などになった場合。例えば、広範の急性心筋梗塞を起こし、気管挿管による人工呼吸管理とIABPによる治療を受けている患者や、移植が必要なほど心機能が悪…

HFpEFには心リハだと思う理由

左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF, Heart Failure with preserved ejection fraction)は、一見心エコーやMRIなどでみると左室駆出率(LVEF)が、少なくとも50%以上あって悪くはないのに心不全を行いている症候群です。原因はひとまず問われず、心不全患者のLV…

強固な冠攣縮には、IABPの先端からニトロールを打つといい。

以前、50歳くらいの患者さんが救急外来にショック状態で運ばれてきました。 心電図では、右冠動脈の完全閉塞とほかの血管に異常があると思われるような所見で、多枝の心筋梗塞かなと思いエコーをあてると、全体的に心筋が動いておらず、え、心筋炎かと思いま…

急性心筋炎の診断と治療

急性心筋炎の診断と治療に関してのお話をしたいと思います。 劇症型心筋炎を意識してお話します。ただ、後述しますが、来院時は、劇症ではなくても、入院後に劇症化することも多々ありますので、すべての心筋炎は劇症化する前提での対応が重要です。 診断に…

後負荷とは

後負荷とは、心臓が収縮して血液を大動脈に拍出するのに対して邪魔するをすべてのものとなります。後負荷を理解するには、2つの要素の理解が必要になります。まずは、血圧。そして、閉塞性肥大型心筋症と、その閉塞の程度に対する降圧薬の効果です。まずは…

心房のサイズが拡張機能の指標となる理由

心エコーで、拡張機能の評価や心不全の治療反応評価で測定される指標として、左房容積、E/A、E/e'といわれる項目があります。特に、左房容積は、拡張機能が悪い心不全の指標の一つとして重要視されています。 心房は、基本的に組織的な構造は心室と同じです…